子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 神話・古典を描いてみよう!
◆内容 神話を描いてみよう!(3,4年生)
◆道具 筆記用具(鉛筆(2B)、消しゴム)、クロッキー帳、モデル人形L・男30㎝、半紙、開明墨汁、下敷き、文鎮、筆、カンヴァス(市販4号)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト、マースブラック、アクラレッド、アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント、カドミウムレッドミディアムヒュー、イエローミディアムアゾ、プライマリーイエロー、カドミウムイエローディープヒュー、コバルトブルー、コバルトブルーヒュー、ライトグリーン/パーマネント、フタロシアニンググリーン))、丸筆、平筆(100円ショップ、アクリル専用ブラシ)、ペインティングナイフ

◆科学 言葉と言葉の間を想像する、話の気に入ったところを探す、見えない部分をポーズをしてみる、層に塗る

◇参考図書・URL
・『ずら〜り カエル ならべてみると...』しゃしん 松橋利光 ぶん 高岡昌江 アリス館 2003年4月第6刷
・『あまがえるさん、なぜなくの?』キム・ヘウォン 文 シム・ウンスク 絵 池上理恵 チェ・ウンジョン 共訳 さ・え・ら書房 2008年7月第1刷発行
・『いっすんぼうし』百々佑利子 ぶん 小沢良吉 え ほるぷ出版 19993月11刷発行
・『いっすんぼうし』日本民話 こわせ・たまみ 文 高見八重子 絵 すずき出版 2006年1月初版第1刷発行
・『いなばのしろうさぎ』 日本むかしばなし いもとようこ 文・絵 金の星社 2010年7月初版発行
・『NHK放送台本 おはなしの森 せかいの神話1』文 花岡大学 絵 小西恒光 同朋舎出版 1988年4月初版発行
YouTube
ふるさとの夜の音/カエルとコオロギ8時間版
http://www.youtube.com/watch?v=GPWqqN04q5A
宇宙兄弟のペン入れの動画をみました。

◇分かったこと 気づき
・からだの見えない部分のつながりを実際のポーズで確かめました。
・絵を参考にしている絵本の世界に引きこまれています。
・子どものために言葉をさがしているような跡を見つけて、古本屋さんの本の書きこみなど思い出しました。

❖基本学習
・まずカードは『せかいの神話1』「国つくり 日本の国ができるまで5(1)小さい神さま」 に出てくるカエルや案山子やガガイモの実にかんする画像を見ていきます。
・久しぶりに『鳥獣戯画』の蛙たち、弓を持つ蛙や相撲を取る蛙たちを見ていきました。
・動画の睡蓮の池に「カエルとコオロギ」のページを出して、鳴き声を聞いてみました。「ケロケロ、ゲロゲロ」には収まらないものがあります。
・写真の絵本『ずら〜り カエル ならべてみると...』は慎重にみていきました。不慣れで嫌いかもしれません。
・絵本『あまがえるさん、なぜなくの?』を読みました。
・韓国の絵本でした。(参考1)
・始まりは、「むかし、おかあさんの いうことをきかない あまがえるのこが いました。
このこは だいの へそまがり。 かあさんが なにをいっても はんたいのことばかり していたのです。」です。
・カエルにおへそはありませんし、絵がとてもにぎやかで楽しそうです。
・お話の要約と本文からの引用です。

かわでからだをあらいなさい といわれると 山へ行く 水遊びはやめなさいといわれると ぽちゃんと飛び込む 歌ってというと 口を閉じる しずかにといわれると大声 火を持ってきてというと水を持ってくる 水と言うと 火を すわってというと立って おいでというと あっちに行く

「かあさんは しんぱおのあまり とうとう びょうきに なってしまいました。」
「「ぼうや、わたしが しんだら、やまではなく かならず かわのそばに うめてね...」
かあさんは、こういいのこして いきを ひきとりました。ほんとうは やまに うめて もらいたかったのに、わざと はんたいに いったのです。」
「「やまではなくて かわのそば、 やまではなくて かわのそば...」
あまがえるのこは、ケロケロ なきながら かあさんを かわのそばに うめました。かあさんが はんたいに いったともしらずに、こんどこそ いうことを きいたのです。」
「それから あまがえるのこは、あめが ふるそうになると、「かあさんの おはか、ながされたら どうしよう」と、しんぱいして なくようになりました。 
いまでも あめにひには ケロケロと あまがえるの こえが きこえてきます。
きっと かあさんの おはかを しんぱいして ないているのでしょうね。」

・あとがきには、韓国、中国、ベトナム、古代マヤの動物由来話について少し触れられています。
・最後にお母さんカエルが死んでしまう、ちょっと印象的なお話でした。
・図書館の本なので、どこかのお母さんか、どなたかが書かれた文と、それを消した後がありました。
読める範囲で読むと、話にクッションをもたせようとしていました。
・「病気」は「おもい病気」、「息を引き取る」は「死んでしまいました」。「母さんは〇〇〇考えました」「やまにうめてねというと きっとあのこはかわにうめるだろう かあさんはあまがえるにたのみました」「あまがえるは かあさんにすがって なきました」まだまだつづいて、行間をなんとか解説しようと言葉が埋めてあります。
・「何か描きこんであるね」とみました。
・つづいて後書きの中国の蛙、ベトナムの蛙、マヤ文明の蛙、と昨年やったギリシャ神話の蛙、イソップの蛙の話にふれました。
・案山子のページを見ました。
・案山子見たことありますか?ないわね。今見えるのは棒の先にちょっと黒いビニルくっ付けたもの。
・鴉のつもりね、なにを追い払っているのかな。スズメ対策か、鴉は雑食だから、何でも食べます。公園では一緒にいることあるしね。
・案山子についてしばし想像しました。
・ガガイモの舟にのって豆粒みたいな小さな人が現れて、大国主命がだれだだれだ?と問いただします。
・誰も分からずヒキガエルが、案山子に聞いて下さいと言いました。そういう場面だね。
・イメージが分かってきました。
・ガガイモを見て、一寸法師に例えるならばお椀持って来ればよかった。
・『いっすんぼうし』(小沢良吉)を読んで絵を見ていきました。
・後で『いっすんぼうし』(こわせ・たまみ 文 高見八重子 絵)と比較しました。
・舟のシーン、姫様、鬼の描き方、打ち出の小づちの違いなど。
・小沢良吉の絵は線がきれいで、一寸法師の大きさはずっと小さくまとめられていました。
・高見八重子の方は一寸法師が大きく見えたり、小さく見えたりしていました。
・そこまで話してもなかなか絵にするのは難しいようです。そうですねえ。。
・身近な生き物の話をしました。
・身近な生き物(1)
燕の巣と燕の子育てを追っています。燕を見守っているつもりが毎朝の写メの音に警戒されたか、燕は怒っている様子でした。
・身近な生き物(2)
2羽のカラスにも狙われました。そちらも多分子育て中。熊谷守一さんの写真に頭にカラスが乗っているものがありますが、
難しいですね。鴉も急滑降するんですよ。 
・身近な生き物(3)
川で目立つ蜘蛛の話をしました。黒と黄色の二色のボーダーの蜘蛛です。大きな立派な巣を張っています。土砂降りの後はさすがにいませんでしたし、翌日も翌々日もいませんでした。ある日蜘蛛は帰ってきました。こんどは奥まったところに巣を張っています。毎日見てるとその蜘蛛がどんどん太ってくるのがわかります。一昨日より昨日、昨日より今日、あしたはもっと太っているでようね!ある日、巣の真ん中で糸を出して何かをぐるぐる巻きにしていました。すぐに真っ白になりました。何をどうするんだろうと思いました。大きな巣は丈夫なのでなかなか流されず壊されず、悠々自適な暮らしをしている感じです。食べ物もやってきますし。一度、葉っぱでちょこんとさわってみました。動きが俊敏でビックリしました。オスなのか雌なのか、ああいう子は他で見たことありません。ちょっと以前にはない心配が生まれました。
・カエルの話は、子どもの頃の蛙の秘話をしました。

・『ずら〜り カエル ならべてみると...』(しゃしん 松橋利光 ぶん 高岡昌江)を見ました。
・遠目に見てもらって「どうですか? 大丈夫そう?」大丈夫そうです。
・本の蛙の鳴き声のところを見ました。
・「フィフィフィフィ フィフィフィフィ」「ギィーコ ギィーコ」「グッグッグッグッ」「ケケケケ ココココ」と言うところを読むと、ちがう「ケコケコだ」と。え? 縦読みなの? 横読みじゃない? でも「ケケケケ」より「ケコケコ」のほうがいいような。
YouTubeのカエルの鳴き声を聞きました。
・漫画風な人体スケッチとペン入れの動画をみました。
・下絵と鉛筆とペン入れ、紙の回転、手先の動きをとった動画で熱心に見ていました。
・案山子の画像をみました。
・カエルの鳴き声を聞きました。
・先週のお互いを描くが残っていて、お互いの顔を描きました。
・「お!そっくりだね!缶バッチにしたら?」と言ってもらったので、きりぬいてテープで自分のTシャツに貼りました。即席缶バッチ!
・『あまがえるさん、なぜなくの?』を読みました。
・読んでいくと案の定カエルの反対をするところは楽しい、しかし最後に近づいて、お母さんが病気になるところから悲しくなりました。

❖今日の課題
・そろそろ半紙を出して、墨汁を開けて波など描きはじめました。
・だんだん小さなカエルが出てきました。
・「一寸法師」という画題が難しかったようです。
・正面を向いたカエルがホッペを膨らまして鳴いているところです。「案山子に聞いてごらん」とおしゃべりしそうです。
・「打ち出の小づち」「カエル」「波」「案山子」「へのへのへじ」。
・お話から向こうは海、ガガイモのお椀の舟にのって、こちらに陸、カエルの構図ができてきましたね!

・イナバの白ウサギのアクリルを進めました。
クロッキー帳をだして練習しました。
・兎がガマの穂、花粉ではなく穂に横たわる、をかきます。
・難しいので、クロッキー帳にクレヨンで二枚描いて練習します。
・すると隠れた手のポーズが分からないらしく、床でそのポーズをやってみました。
・カエルの絵本も、鳴き声と人間に似ている表紙の蛙のポーズが気になりました。
・カエルのポーズもやってみます。「先生もできるよ」と一緒に床でヨガ風な感じのポーズをとっています。
・兎のポーズをやってみて、右手の位置を確認しました。
・本番です。
・カンヴァスに続きを描きます。
・ウサギ、ちょっと手伝って、5でいいからと。5って?!5割かな?5分かな?
・一緒に描くというのもありますね。「色は黒だ黒」ということで、くっきりと黒。
・少し描いてあげると、あとは練習の成果がでて、耳から頭、後頭部、背中、腕、腹、足、尻尾、爪、目、ヒゲ、髭の穴良く見て描いています。
・輪郭を描いてしまったので、白い色がぬりにくいですが、避けて描いています。
・アクリルとしては上から塗り潰して、あとから目と髭を描けばいいというと、ちょっと不安そうです。
・細かく描いたものも白で塗っていきました。
・蒲を描きました。
・混色して、赤黄色白黒で茶色、そこに微妙な緑のグラデーションのような色合いをいれて、縁があると内部は一色で塗りたいそうです。わかります。
・蒲の葉を描いて今日はここまでです。次回に仕上げましょう。

❖today note
We assumed a frog (toad) and rabbit(hare) pose.
Asian frog is friendly rice field and waterside life.

❖reference
(参考1)
あまがえるさん、なぜなくの?』キム・ヘウォン 文 シム・ウンスク 絵 池上理恵 チェ・ウンジョン 共訳
の本の終わりに訳者による「あまがえるの昔話」という説明文があります。

このお話は韓国では古くから親しまれている昔話だそうで、日本の類話を調べてみると、ポピュラーではないが全国各地に雨蛙、鳶、山鳩、鳩、梟、鴉等の鳴き声の由来を伝える話があるそうです。朝鮮半島に伝わる「あまがえるの昔話」と日本に伝わる類話に共通する大筋は以下の通りで、

親にさからうあまのじゃくな子がいた。親は、息を引き取るときに川(海)のそばに埋葬してほしいと遺言する。親は、山に埋葬してほしかったので逆のことをいう。子は最後だけは遺言を守って、親を川(海)のそばに埋葬する。子は雨の日になると、親の墓がながされないかと心配して鳴くようになる。

キム・ヘウォンさんとシム・ウンスクさんは、この基本形を踏襲しながら、愛すべきやんちゃ坊主を創造し、昔話のなかに幼い子の無邪気さとエネルギーを吹きこみました。子どもたちは、リズミカルなことば、のびのびと描かれたユーモラスな絵に心を添わせて昔話の世界に入っていくでしょう。

と文と絵についてのコメントがありました。
画材としては沢山の色鉛筆を使っているのでしょう。カエルの高さから見た雑草や草花、木々や昆虫の色遣い、水辺や雲は滔々と流れて線が跳ねあがり生き生きとして、表情が豊かです。幼児の線によく似た線なのではと思えてきます。
同じ緑でも黒の線によって他の緑からは見失われず、カエルや主要なものたちは、生き生きと動いています。

また、あとがきには幼児ならばカエルに感情移入するが、だんだん習性に気づくようになるとありました。