子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 神話・古典を描いてみよう!
◆内容 アクリル絵の具、墨で神話を描こう!(3,4年生)
◆道具 筆記用具、スケッチブック(マルマン)、クロッキー帳(マルマン)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト、マースブラック、アクラレッド、アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント、カドミウムレッドミディアムヒュー、イエローミディアムアゾ、プライマリーイエロー、カドミウムイエローディープヒュー、コバルトブルー、コバルトブルーヒュー、ライトグリーン/パーマネント、フタロシアニンググリーン))、リキテックス スーパーヘビージェッソ、丸筆、平筆(アクリル専用ブラシ、硬軟)、紙製パレット
◆科学 物語絵と広い視界と大きさについて

◇参考URL
・『イボイボヒキガエル』三輪一雄 作・絵 偕成社 2005年10月初版1刷
・『ずら〜り カエル ならべてみると...』しゃしん 松橋利光 ぶん 高岡昌江 アリス館 2003年4月第6刷
・『自然の観察事典38 ヘチマ観察事典』構成・文 小田英智 写真 松山史郎 偕成社 2006年12月初版第1刷
・『草の名前が 葉っぱでわかる かがくだいすき』ぶん 近田文弘 え おくやまひさし わかうちやよい 大日本図書 2001年3月第1刷発行
・『ヤマトタケル那須正幹 文 清水耕蔵 絵 ポプラ社 2005年7月第1刷
・ネット画像
「自然の音 ホネ貝 ガガイモ ベトナムの舟 手品」

◇備考
・携帯のボイスレコーダーで録音した台風の音と傘に当たる音をききました。

◇写真 
・運筆_wondertreeなど

◇分かったこと 気づき
・「ヒキガエル」が出てくる物語の場面は、浜辺と海に小さなガガイモの舟とカエルが現れて、
広い視界を4号のカンヴァスにまとめなくてはなりません。つまり箱庭のような絵にまとめなくてはなりませんでした。児童画なので好みや描きたいものを見るという画面でいいのか、中学年なので多少遠近法を空気などで考慮したらいいのか迷いました。
・まだどちらにも通じていない子どもをどこへ導けばよいのか?習うより慣れろ?たしかに沢山描きましたね。
・ハッキリしているのは、カエルは参考図書をいろいろ用意して何度も説明して、苦手感がやや薄れたのではないかな、という事です。
・貝殻一つにも物語があると熱心にかいてくれるような気がします。

❖基本学習
・カードは最後にしました。『ヤマトタケル』の絵本を読みました。
・筆運びとして、自然現象を描こうで、先週は台風や中秋の名月も見ることが出来たので、ネットでも探してみました。
・「六甲おろし」「伊吹おろし」「赤城おろし」の音を探しましたが、なかなかでてきませんね。
・風の音ではなく、そよそよとした自然の音がありました。
・キーワードがたりなかったのでしょう。
・携帯に録音した台風の音にしました。
・録音は1分半、途中バサバサと機械が強風に煽られると「ゴーッ」という音になって、やはりドキリとします。
・ビニル傘を叩く音、強風、最後は電車の音が混じっておしまいにしてあります。
・翌日に見に行くと、川のススキは流され、テニスコートのベンチは立っていました。
・でももう虫の音が響いていました。
・虫の音は「鈴虫!」と答えました。馴染みがあるようです。
・オリジナルテキスト4は、今回は台風の音、濁流、音の転換、月、月夜の木々。
クロッキー帳をはずして紙の準備をします。
・音を線に転換、といっても難しい。
・月は見たと。ススキは台風で流され、お団子はお供え前に食べちゃったよ。あららお月様お先に。。。
・平筆をつかって円形を描くのがいいみたいで、月の灯りの後のような円を描いて、半月書いて、ハロウィンのカボチャになりました。
荘子の「大ひょうたん」の話をしたら、いま学校でやってると、え?
・学校でヘチマとひょうたんをやっている!グッドタイミングですね。
・先生も小学生のときに理科でヘチマをやって、なんでスポンジになるんだと思っていました。
・そうしたらスポンジでなくタワシですと。そういう自然に還る物がいいと、やっと思っています。
・二枚目には月の日齢、新月、三日月、半月、満月。反対の月。そこに黒猫を描きいれました。
・オリジナルテキスト4の台風、濁流ザーザーから、金、黄色い木の枝振りをだして、赤い実を描きました。
・一本の黄色い木に、柿、リンゴ、葡萄がなっていますね。魔法の木をかきました。
・自然の境地の荘子はどこに行ったのかな?
・アクリルの絵が終わった後に次回のテーマ『ヤマトタケル』読みました。(参考1)
・古代のヒーローです。長い絵本でしたが、関心を持って最後まで聞いてくれました。
・ときどき哀しいですね。切なさが伝わったように感じました。
・さてどこを描くのかな。イメージしてね、出来たら二枚がいいかな。候補が浮かんできました。
・①一枚は、王冠と草薙の剣。装飾が美しいのかも知れないし、勇ましくなりたいのかもしれないですね。
・②はオトタチバナヒメが海を鎮めるために着飾ったという場面です。
・今回は参考になる絵本があるので、総仕上げをしましょう!

・テーブルに荷物を出して、輪ゴムを見つけて手品などの動画を見ました。
・絵の方に気持ちを持っていく「間」のような準備です。
・筆運びの練習、「音を取りあえず色や線に変える!」の材料として、録音した台風の音(1分30秒)をきいてもらいます。
・ザーザーザー、ビニル傘に風雨があたる音、弱い弱いから強くなる、最後は電車の音が混じります。
・ネットで虫や風の音、六甲おろし、伊吹おろしを探します。何故か手品コーナーに引き付けられます。
・トランプの手品はカード当て。トランプは手際よくテーブルの上に扇形に開きます。
・次は輪ゴムの手品です。絡まった輪ゴムがするりと離れます。試してみたくなりますね。
・輪ゴム遊びに繋がります。輪ゴムを指に掛けてひぱって、歯型のようにしてから一本ずつ外していきます。
・そろそろ終わりにしようと「子どもに大うけ!コインの手品」のようなページに切り替えます。いちばん長い動画でした。
・新しいペーパー・パレットに白と黒と虹色をおきました。
・黄緑で円を描きました。真似をしてたくさんお団子型につなげてマスカットにしてくれました。
・今度は黄色で描いていきます。お月さん綺麗だったね。名月みた?見た!
・お月さんを黄色でクロッキー帳に描いてくれました。すっかり上手になって、水玉模様のパタンにもなっています。
・はみ出るところは紙をつなげて、隅々まできれいな黄色いお月様水玉ができました。
・『名画カード日本編』を見ていきます。顔の表情はなかなかないですね。
・典型や仏像の微妙な表情から、顔の表情が出てきたのは最近の事なのかもしれませんね。
・しかも「喜怒哀楽」となると、漫画の方ががぜん豊な感じがします。
・などとと言いながら準備していると、今回は年齢でなく名前を入れ始めました。
・眉毛、目、鼻、口、下唇、髪型が現れます。たくさんの表情豊かな友達がいますね。
・その筆のいい感じで、久延昆古を描いてもらおうと準備しました。

❖今日の課題
・さあアクリル絵の具で「ヒキガエル」の話す場面を完成させましょう。
・アクリルの絵のための、ホネ貝、ガガイモ、ベトナムの舟を出しました。
・絵本『イボイボヒキガエル』、写真絵本『ずら〜りカエル ならべてみると』を見て復習しました。
・あとは写真、散歩で見つけたアマガエルを撮ったものです。参考になったなか?
古事記の文を読みました。
・前に塗ったジェッソのザラザラ感を確かめて、如何にもイボガエルにピッタリは地肌ですね、といわれても微妙な感じです。
・絵の具は、ペーパーパレットに白黒と虹色を出しました。
・カエルを黄緑で塗っていきました。アマガエルですね。
クロッキー帳にラフに描いた蛙はすっかり板について上手いです。ほっぺを膨らませてケロと鳴いているようです。 
・口を開けているカエルは「案山子の久延昆古にきくといいよ」の口の感じ。
・蛙の舌がのびて虫を取っているような口の開いた写真は、理科絵本には載っていません。
・絵本のヒキガエルが叫んでいるのを参考にしました。
・蛙が口を開けておしゃべりしています。
・画面は万遍なく黄緑を塗っていきます。 
・黒で目を描きます。しかしあまり描きたくないかもしれません。 
・色もやや薄いので、色混ぜして手伝いました。
・カエルの手をしっかりかいてね、というと描いたと。リアルにしたくないのかな。
・貝殻も実物みてないので ネットのほねがいはトゲトゲしてますね。 
・ほねがいの入っている穴を見て、それらしく描いてもらいました。
・ホタテがいは貝殻の実物があるので一番描きやすい。
・海の上、向こう側にガガイモの舟が見えます。
・舟の色はネットでガガイモを見て、微妙な色合いをだしましたね。4年生にはだせないような色合いになりました。
・櫂、オールを描いたのがよかったですね。きちんと置かれて、乗って安定するような不思議な舟となりました。
・ちょっと難しい絵の画題だったけれど、完成です!

・その筆のいい感じで、久延昆古を描いてもらおうと準備しました。
・その箇所を読みました。
・「ところがヒキ蛙が申し上げるに、「これは、案山子の久延昆古(くえびこ)がきっと知っているでしょう」というので、久延昆古を召しておたずねになると、「これは神産巣日神(かむむすひのかみ)の御子、少名昆古那神(すくなびこなのかみ)でございます」そこで、大国主神が神産巣日の御母神に申しあげられると、御母神は仰せされた。
「これはほんとうに私の子です。たくさんの子の中で、私の指の間から漏れ落ちた子です。お前は葦原色許男命と今から兄弟になって、葦原中国を作り固めなさい」と少名昆古那神にいわれた。
そこで、大穴牟遅(おおなむじ)と少名昆古那は協力して葦原中国を作り固められた。しかしのちには少名昆古那神は常世常(とこよのくに)へもどっていかれた。」
・案山子は今まで画像で「オズの魔法使い」の案山子、「ハウルの動く城の案山子」を見てきました。
・そして今描こうとしている案山子の久延昆古(くえびこ)は、何でもよく知っている頭のいい案山子ということですね。
・まず大地と空に分かれた画面に草花を実らせて、で緑を描きいれると真似をして、次は赤い花を描いてくれました。
・『草の名前が 葉っぱでわかる かがくだいすき』を取り出して、季節の赤い花を探し出しました。
・横にギザギザ葉っぱが良い感じで伸びたピンクの花、野アザミがあって、「この花の葉っぱは、同じところから延びてるね。葉の周りがギザギザしてるね。」などと説明して、だんだん真剣やる気になってきました。
・「しーっ」と、集中を始めました。うるさいということでしょう。見守りました。
・背景ができてきたら案山子です。
・体の色は布を巻いているので白でしょ?というと肌色(ペールオレンジ)だといいます。
・色を作って塗っていきます。手、顔、胸、足で、着物の柄をかきます。
・最初はいかにも「♯」の絣模様にしようとしたら、真剣に青で斜めに線を入れて、どことどこがつながるのかな。
・着物地の紙が終わると筆は空中に運ばれて、紙がはじまるとまた着地して、斜めのストライプではハイカラすぎると思いきや、クロスして縞々が入りました。ブルーのチェック模様の衣装が出来ました!
・顔の表情は黒い線、細い筆を使って真剣そのもの、取り組んでくれました。
・結果、大変ハンサムな案山子になりました。
・頭の被り物は何色にしようかというと、茶色をつくってくれました。茶色い姉さん被りになりました。
・サインをしてというと、大空にS!あっというまに四角で囲みました!!
・あれは紙と墨のときの囲いだけど、まあいいか!四角い太陽みたいだ。
・太陽に手を当ててあちちち、一緒に絵に手を当ててあちちち! 
・余った茶色で遊びましょう、茶色だから台風の後の濁った河を描いたら、遠くに棒人間がいます。
吹き出しには「きたなー」。三人くらいでてきて感想を述べています。
・点々と虫もいます。
・濁った河ではなくプールだそうです。
・お母さんのお迎えがあったので、筆をお渡ししてプチ参加していただきました。
・このままではちょっとね。
・では最後、世にも不思議「何でもなる木」を描いて終わりにしましょうね!
・在りえない木を描こうと、幹を描いて、枝を描いて、するすると、桃、リンゴ、柿。そして葡萄も描いてくれました。
・味わいのある在りえない木ができましたね!

❖today note
Childlike picture and child's picture and childhood picture.
From the beginning, what is picture?
The growth of the question, sign with relief.

❖reference
(参考1)

絵本『ヤマトタケル』を読みました。

「アマテラス」は坂東玉三郎が歌舞伎で演じているそうです。
ヤマトタケル」は今年映画になっています。
古代のヒーローの物語です。ヤマトタケルは怪力で美女のようで、物語は冒険と父と子の物語です。
簡単な要約をつけます。


昔、大和の国にいたオホタラシヒコオシロワケノスメラミコトには何人もの妃と男子がいました。
オホタラシヒコオシロワケは、子の兄のオホウスノミコトが食事にもでないといって、弟のヲウスノミコトに「ねんごろにただしなさい」といいました。
父にいわれたヲウスノミコトは、兄をなげすててしまいました。
父はヲウスノミコトの猛々しさに恐れをなして、西に熊襲退治に向かいなさいといわれました。
ヲウスノミコトは出かける前に伊勢神宮に参り、叔母のヤマトヒメノミコトのもとに挨拶に行きました。ヤマトヒメノミコトは甥に衣装を渡し、役に立つことがあると言いました。
熊襲では衣装がものをいいました。
熊襲を退治して戻ると今度は東の十二の国を平定せよと命じられました。
叔母のヤマトヒメのミコトのもとに挨拶に行きました。今度は草薙剣と袋を与えられました。何かあったらこれを使いなさいといわれました。
そして平定の旅にでかけました。東の旅では危険が迫ると草薙剣や袋に助けられました。

途中オトタチバナヒメに海の怒りを鎮めてもらったり、

オトタチバナヒメが詠んだ歌
さねさし 相武の小野に 燃ゆる火の 火中のたちて 問ひし君はも
(相武の野原は燃える火の その燃えるほのおのなかにたって、わたしのことを心配してよびかけてくださったあなたよ) 

ミヤズヒメと結婚するとこになったりしました。
しかし伊吹山の神を治めていないので打ちにでかけましたところ、道中で出会った白いイノシシを神とも知らずに使者と間違えてしまいました。そのために氷雨にふられ、一旦は玉倉部の清水で元気になったものの、多芸野あたりに来たときに弱って亡くなりました。
そのとき歌を詠みました。

倭は 国のまほろば たたなづく 青垣 山こもれる 倭うるわし
(やまとのくには、国ぐにのなかでもっともよいところだ。重なりあった青い垣の山、その山にまもられた、やまとのくにはなんとうつくしい)
愛しけやし 我家の方よ 雲居たちくも
(なつかしい我が家のほうから、雲がわきおこってくるよ)
嬢子の 床の辺に 我がおきし つるぎの太刀 その太刀はや
(おとめの床のあたりに、わたしがおいてきた太刀、ああ、その太刀よ)

ヤマトタケルの死は早馬で都の帰りを待っていた人々に知らされました。そして能煩野(のぼの)に墓をつくりました。
その墓からヤマトタケルの魂が真っ白な大きな鳥となって大空へ舞い上り海の方へ飛び去っていきました。
伊勢の国を飛び立った白い鳥は大和の国をとびこえて河内の志幾におり、白鳥御陵(しらとりのみささぎ)と名付けられました。
しかしそこからも旅立ち、ヤマトタケルの魂がどこをめざしていたのかだれもしりません。