子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

子ども/大人美術教室 ☆here☆(nowhere、尼崎市)

子ども美術教室 毎週火曜日、土曜日11:30〜14:30〜、大人美術教室 木、金曜日

授業_形式 絵本

◆内容 一年のまとめ授業_絵本を作ろう(3、6年生)

◆道具
・基本道具:筆記用具(鉛筆、消しゴム)、スケッチブック・クロッキー帳(マルマン)、水彩絵具セット(各自)、マーカー(COPIC sketch、ほか)、色鉛筆(あるもの)、定規(三角、30㎝、50㎝、75㎝、雲形、分度器)、スピログラフ/DesignRuler(あるもの)、サラサクリップ0.5(ゼブラ)、折紙(トーヨー、ダイソー)、両面テープ(あるもの)、50COLORS 50色色画用紙(オキナ株式会社)
・課題:Tシャツくん(太陽精機)、刷るための用具(タオル、小机、ティッシュなど)

◆科学 理科、美術(植物の観察、像、多色刷り)

◇参考図書、URL

・『こどものとも 012 ならんだならんだ』やすえりえ ぶん わきさかかつじ え 福音館書店 2013年11月発行
・『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』熊谷守一 著 求龍堂 1998年9月 
・『よるくま』酒井駒子 著 偕成社 2010年8月75刷
・『らいおんのがお』ぶん てらむらてるお え ただひろし ブッキング 2008年2月初版第1刷発行
・『ワシントン女性芸術美術館展』カタログ 1990年

◇分かったこと 気づき

・公園であったお友達はセミの抜け殻を宝物みたいに大事にしていました。
・カード学習は、絵本『よるくま』を読みました。引き込まれていくのが分かります。

・「アップルを描く」では、リアルさを追求しました。
・1、定規でサイズを測る。
・2、分度器で測る。
・3、巻き尺方式。
・4、直接写す。
・5、身長測定器のように割りだす。
・林檎の見えない後ろ側も描きたい、お皿の見えない後ろ側を描こうとしている。
ピアジェのいう「子どもの発見」だろうか。(J・H・ディ・レオ「知的リアリズム」)
・林檎とお皿の観察をしっかりすることで、子どもの主観の発見とその尊重を心がけました。

・シルクは、容器に気に入った肌の色、髪と目と顔の輪郭線、頬の色を作ります。
・多色刷りで、刷る順番は、肌色→チークと口→輪郭 がいいか、肌→輪郭→チークと口 がいいか。
・出来上がった作品の表情は、何とも言えず明るく微笑んでいます。
・最初あった「本人との違い」も、慣れてきたら良いような気がしてきました。
・像というものは面白く錯覚を起こさせるものでもある。

❖基本学習

3年生

・公園ではベンチの成人コーナーで険悪な感じが。
・罵声も関西弁、名古屋弁東京弁では印象が異なる。
・将棋か囲碁か、はたまた意地の張り合いか、貸し借りの催促か記憶違いか?
・耳を貸す喧嘩か、時間の無駄か。
・ここは遠ざかることに。

お迎えです。
・降りるなり「あーだこーだ」と興奮気味です。
・「順序立ててはなそう」。
・児童公園に向かいます。
・小さいお子さんに「大丈夫だよ」と声をかけています。
・大好きなタイヤブランコのまわりをそわそわしています。
・先客がいます。
・今日のお友達は、葉っぱの上のセミの抜け殻を手にした少年。
・宝物みたいにとても大事にしています。
・「夏からずっと壊れないであるんだね。セミってどれくらい生きるか知っている?」
・「4週間」
・「1週間くらいなんだよ。土の中では7年。もっと長いのもいる。すごいね」
・一緒にタイヤブランコにのって、回しています。
・なかなか公園を出がたいようだ。
ポケモンをゲットして、移動しました。

・教室へ。
・手洗いとうがい。
・修正テープを見つけ「これは何。どうやって使うのか」と聞きます。
・「こうやって間違えるでしょ。大きくなったらボールペン使うよ。鉛筆だったら消しゴムでけせるけどね」
・コツがいるのでうまくいきません。
クロッキー帳に「FをEと書くでしょ。失敗だから一本消すのよ」
・やってみるがテープが伸びて半分にねじれる。
・修正テープを修正するはめに。

・今日やることを書きだします。
 ① カード「あいうえお順で始まる絵本」読みはどこまでよみましたか。
 ② 色彩は省略
 ③ 運筆
 ④ 課題
・先週は課題の「いとこに贈る絵本」の「アリの絵」を描きました。
・画集と絵本のアリを見ます。
・『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』「赤蟻」(1971年)。
・『こどものとも 012 ならんだならんだ』のアリ。
・アリの絵の大きさを比べました。
・「ちょっと大きくなかったかな」
・「巨大アリはやっぱり描き直そうか」

・①のカード学習は、絵本『よるくま』を読みました。
・引き込まれていくのが分かります。
・男の子が、熊の子どもと一緒に、夜の街に出てお母さんを探す、というお話です。
・電線の上を歩いているシーンでは「このこすごい」とまるでほんとうにみているよう。
・「これはゆめなのよ」。
・なんだか昇りそうに思えたから。

・つぎは、③の運筆と形態。
・お雛さまを一緒に折りました。
・「これ覚えてるよ」「すごい」
・顔をかいて、縁かざりのある畳のお座布団にのせて、台紙に貼ります。
・「両面テープで貼ろう」
・「ぼくセロテープで両面つくる」
・「両面テープって、両方に糊がついているテープだよ」
・簡単お雛様の完成です。

6年生

・車で移動します。
・車中では「饅頭こわい」の後半で、なるほどという落ちがあります。
・次の「除夜の雪」は、別の怖い落語です。

・教室に到着です。
・手洗いをします。
・今日やることを書きます。
・カードはやっぱり「ゆ」の『ゆーらり ももんちゃん』はどうかな。
・「もう読んでる。」
・では「よ」は終わって、次の「ら」『らいおんのがお』。
・ライオンが呼びかけます。

「おいおい みんな ぼくと あそぼう あそばないと たべちゃうぞ」

・ライオンは最初ウサギと友達になり、だんだんみんなと仲良くなっていくお話です。
・さすがに幼かったか。
・でもよく似た話が民話にあったような気がするが。
・修正中に名画カードを読みました。
・ワコ・イトー。※参照1
・ユリコ・ヤマグチ。※参照2

❖今日の課題

3年生

・次は課題です。
・「いとこに贈る初めての絵本」
・テーマは「あいうえお」の絵本ということです。
・「今日はアップルを描こう」
・スケッチブックに描きます。
・林檎を前にして、小さい円。
・「大きさを考えようよ。もっと大きいよ」
・するとリアルさを追求し始めました。
・1、定規でサイズを測っています。丸いものを定規で測るのはむりだよ。
・2、「わかった!」と分度器を描きます。林檎に似てるけど違うよ。
・3、巻き尺がないので細く切ったクロッキー帳で林檎を一周する方法にします。
・4、スケッチブックの上にリンゴをおいて、直接線を引いています。なんだか小さいね。
・5、高さを測るために定規と三角定規で身長測定器のように割りだしてみます。
・「ていうか、見た感じでいいんだってば」
・スケッチして、見えない後ろ側も描きたい。
・ボリュームを持たせる認識の手続きとして後ろを確認するのではなく、まさに見えない後ろ側を描こうとしている。
・それが皿の向こう側の線にまで出ている。
ピアジェのいう「子どもの発見」なのか。(J・H・ディ・レオ「知的リアリズム」)
・混乱しそうだが、そう思うんだから、そう描いていいとも言える。(主観の尊重)
・ということで、林檎とお皿の観察をしっかりしてスケッチしました。
・色を塗ります。
・時間が迫ってきます。
・林檎は、赤、黄色、白、黒。お皿は、白+黄 を混ぜます。
・テーブルは淡い茶色。
・さっと塗って、思う色をスケッチブックにのせていました。
・以前描いた、真上から見た林檎よりは、やや角度の違った絵になりました。

・車では「また饅頭こわい?」「今度全部聞こうね」

6年生

・課題にはいります。
・「じゃあシルクの刷りに入ろう」
・専用の絵具がたりないので、色を作ってから別のアクリル絵具で色をつくろうと確認。
・マスキングテープで、シルクの修正をします。
・はじめは手でちぎっていたが、だんだん細かくなり、修正だらけになりました。

・修正中に名画カードを読みました。※参照1、2

・クランプを設置します。
・インクの準備です。
・容器に気に入った色を作ります。
・肌の色、髪と目と顔の輪郭線、頬の色。
・量が少ない。
・肌を手伝うと、微妙に色が違います。
・髪、目、顔の輪郭は、赤+黄+白+青、黒も入れて濃茶をつくるが、ピタッと嵌らない。
アンディ・ウォーホルの画集をめくって「ズレとか網目とか魅力がある」
・「最初に画布に大きな缶詰を描くというセンス」
・「顔を描く、ということなんだけれど、いま世界で問題になっているのは「そっくりな顔をかく」ということで、例えばだれも見たことのない「神さまを描いてはいけない」というのがあって、(ほんとうは経済などの別の原因なのかもしれないのに)大きな争いの原因の一つになっているんだ」

・クランプとシルクフレーム、インク、紙、スキージ、バケツ、刷毛、ティッシュ、タオル、新聞紙などをセットします。
・「多色なので、刷る順番は、肌色→チークと口→輪郭 がいいのでは」
・「肌→輪郭→チークと口 がいい」と。
・ではそうしよう。
・まずはスケッチブックに練習。
・先生の作った肌の色から。
・はっきりとしてあざやか、少年のよう。
・皮膚に白い線が入って、まぜたりないのが判明。
・インクはしっかりまぜよう。
・本番です。表紙も刷ります。
・自分の絵具の肌の色で刷ります。
・かわいてから、輪郭の茶色をのせます。
・最後にチークと口の色を乗せます。
・出来上がった表情は、何とも言えず明るく微笑んでいます。
・最初あった「本人との違い」も、慣れてきたら良いような気がしてきました。
・像というものは面白く錯覚を起こしそうである。
・製本するときには慎重にしよう。
・4枚とも完成させて、修正は次回にまわしました。

❖today note

We called at the children square.
A boy cherished a cicada shell last summer.
And we went to our atelier.
He started to paint an apple of the next motif.
He thought about the real size and measure.
The other, it seemed that she quested her brother portrait.

❖reference

※参照1

ワコ・イトー(1945-、日本)
(略)
 ≪ペチュニアの鉢≫(1981年)は、女性芸術美術館が所蔵しているイトウの繊細なカラー・メゾチントの静物4点のうちの一つである。メゾチントの特徴である柔らかな輪郭とけばだった画肌がはっきり出ていて、紗の幕をすかして見たような像を生んでいる。≪ペチュニアの鉢≫に見られる生き生きとした色彩は、20世紀的スタイルの特質である。この作品は、いくぶんか19世紀の静物画をほうふつとさせるような、美しいピラミッド形の構成をもちながら、野にはびこる花ののびのびとした色あいももっていて、それがエネルギーにみちた感じというのを作品にあたえ、現代的なスタイルをよそおわせる。窮屈な鉢からこぼれて熱っぽく咲きみだれる花は、芸術家の生命のメタファーとなっている。
(P.N.= Percy North H.Ha.)

※参照2

ユリコ・ヤマグチ(1948-、日本)
(略)
 ≪発芽≫でヤマグチは、ほかの平面と立体の作品でも試みているように、具象と抽象の境界をかき消している。芽を出す植物の形は明らかである(それも題名を読んでからのことだが)ものの、図柄は、外界と直接の関りをもたない意匠として読んでもおかしくはない。彼女のほかの作品をくつっている形態は、りんご、小石、木の葉、手、道具など、とくにそれとはわからなくとも、有機的、あるいは人間的なさまざま要素を暗示する。誕生、死、再生といったテーマはヤマグチの芸術にしばしば取りあげられるが、この作家は、そういうテーマを慎重に微妙に扱うので、作品は見る人それぞれの個人的な解釈にまかされている。ヤマグチの使う材質や形態のあるものには、実験的な仕事をした彫刻家たち、とくに彼女がバークレーで見た伝統にとらわれないインスタレーション作品を作るエヴァ・ヘッセ(cat.no.89参照)の影響が現れている。また彼女の別の作品では、自然に対する崇敬の念という点で神道の影響が暗示される。
(略)
(N.H./T.Y.)