子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

子ども/大人美術教室 ☆here☆(nowhere、尼崎市)

10、11月生徒募集♪ 毎週火曜日、土曜日11:30〜14:30〜(応相談)

授業_形式 フィギア、スケッチ

◆内容 「プテラノドン」「葡萄のスケッチ」(3、6年生)

◆道具
・基本道具:筆記用具(鉛筆、消しゴム)、スケッチブック・クロッキー帳(マルマン)、水彩絵具セット(各自)、マーカー(COPIC sketch、ほか)、色鉛筆(あるもの)、定規(三角、30㎝、50㎝、75㎝、雲形、分度器)、磁石のアルファベット(あるもの)、画仙紙(水墨画用箋 梅)、クーピー(あるもの)
・課題:巨峰(岡山産)、『プテラノドン』(科学と学習社)、ラジオペンチ(ダイソー)、スケッチブック

◆科学 理科、美術(植物、ものの名前と実在)

◇参考図書、URL

・『くもんの 名画カード 日本編』木村重信 監修 くもん出版 1998年2月初版第1刷発行
・『ふしぎな ともだち』サイモン・ジェームズ さく 小川仁央 やく 評論社 1999年4月初版発行
・『植物あそび』ながたはるみ さく 福音館書店 1999年6月第3刷
・『日本の伝統色』日本色彩研究所 編 福田邦夫 著 読売新聞社 1996年5月第12刷
・『ワシントン女性芸術美術館展』カタログ 1990年
・『おどろきいっぱい! トマト』野口貴 監修 ひさかたチャイルド 2015年5月第1刷
・『ムナーリの機械』ブルーノ・ムナーリ 著 中山エツコ 訳 河出書房 2009年5月初版発行(初版1942年)

◇分かったこと 気づき

クヌギとドングリのスケッチでは実が全部枝につながっていました。
・葡萄でも、見えない枝の流れを想像して描いています。
・枝が線なので二本にします。線を枝として描いています。これは訂正していいのか?
・「ぶどうの、実と実のあいだに、距離がある」と空間が生まれてきている感じでした。

・芸術は役には立たないが、人の心に役に立つのかもしれない。
・ムナーリの絵本の注記の、「名前」が書かれていないものの「説明」を読んで想像しました。
・重さに対する勘が冴えてきたか。
・中心に描きたいものがやや左寄りになってしまった。粒を増やしていいか。
・音符はまるでブドウの粒のようにしっかりと書かれています。
・切れ目が分からないので名前を入れよう、歌詞は果物で書かれていました。

❖基本学習

3年生

・お迎えします。
・公園でドングリを観察しました。
・鱗みたいな殻が割れて、中からドングリが顔を出しています。
・あの鱗みたいなものはドングリの帽子になるのですね。
クヌギを拾ってきてくれます。
・三色ほどの面白い色合いです。
・色の変化に時間を見るか、日照をみるか。

・教室にはいり、手洗いうがいをします。
・だんだん秋なので氷は最後かね、イチゴと白蜜でおしまいにしよう。
・ホワイトボードに今日の内容を書きます。
 ① カード
 ② ドングリの色
 ③ 運筆は コンパスか 紙ひこうき
 ④ 課題は 葡萄と プテラノドン 

・カードは『くもんの 名画カード 日本編』、1から5の復習と好きなカードの解説を読みます。
俵屋宗達風神雷神図屏風」を読んでくれました。

 昔の人たちは、風がふいたりかみなりが鳴ったりするのは、空にいる神様のせいだと思っていました。そして、おにのような姿を思いうかべました。この絵の風の神様とかみなりの神様も姿はおにですが、おそろしいというよりも親しみやすいです。

・「おそろしいというよりも」と平仮名がつづくと言いにくく、「い」を「こ」とよんでしまいます。
・もう一度読み直します。
・6 伊藤若冲「群系図」は「鳥だらけ」というので「鶏ね」。数を数えます。
・7 丸山応挙「朝顔狗子図」。「たくさんの鶏と二匹の犬の図。多い少ないも絵になるね」「三匹だよ」。
・8 池大雅「灌園便図」「いけのタイガー。かんべんしてや」と聞こえますね。
・9 酒井抱一「夏秋草図屏風」
・10喜多川歌麿ビードロを吹く娘」
・自然と鼻歌が流れ「六甲おろし」であった。たしかに風神雷神にも似ているか。

・「つぎは「あいうえお順で読む絵本」です。1年生からはじめて、ずいぶん読んできたね」
・『ふしぎな ともだち』です。
・レオンという黒人の、どうやら友達のいない男の子には「ボブ」という空想のともだちがいます。
・ある日、隣に白人らしき男の子が引っ越してきました。
・レオンは、その子の家にいってベルを鳴らして「あそぼう」って言いたい。
・思案中のレオン。でも空想のボブが一緒です。
・さて次の日。

 つぎの日、レオンと ボブは いそいで あさごはんを たべおえた。 そして、レオンは ボールを かかえると、いえを とびだした。

 レオンは となりの いえの かいだんを かけあがった。二、三だん いって、 レオンは、はっと 気がついた。ボブが いない。ボブは、どこにも いなくなっていた。

・すわりこんだレオンくん。でも勇気を出して、呼び鈴をならした。
・「こんにちは」男の子が言った。レオンは「こ、こんにちは」とぎこちない。「いっしょに こうえんに いかない?」
・男の子はママに許可をえて公園に行くことにした。

「ぼく、レオンって いうんだ。きみの なまえは?」
「ボブだよ」

・ビックリでしたね。

・色彩です。
クロッキー帳を表にし、クヌギとドングリのスケッチをしました。
・ぎこちないですが、実が全部枝につながっているのが分かります。
・「璃寛茶」「黄緑」、白い部分を調べ忘れです。
・葉っぱの色は、裏は「草色」表は「深緑」でした。
・運筆は省略です。

6年生

・車で移動です。
・教室に到着です。

・手を洗い、うがいをします。
・運動会の組体操のことなど、雑談筆談です。
・本日の内容を書き出します。
① カードは「ケーテ・コルヴィッツ」。20世紀前半の版画家。
② 色はドングリの色名など。
③ 運筆は「装飾の文法」から鳥の羽はいかがですか。
④ 課題は葡萄の「巨峰」と音楽オカリナ。

・以前に弟をスケッチしたものを見せてもらいました。
・よく描けていると思いました。
・絵本の構成のヒントになればいいですね。

・名画カードです。
・版画、ケーテ・コルヴィッツ「終焉」(1897)は、色彩がインクの黒と紙のセピアのみで暗い感じです。
・次のページには自分の墓標のためのレリーフがあります。
・関心をもっていそうな感じです。
・ケーテ・コルヴィッツ(1867-1945、ドイツ)を紹介しました。※参照(1)
・お墓のレリーフは、二つの大きな手による教会の救済の場面を連想させる、とありました。
・お母さんの仕事は人の役に立つ仕事です。この人も医者と結婚して役に立つ人のそばにいました。
・芸術は役には立たないが、人の心に役に立つのかもしれない。

・つぎのカードはムナーリさんの絵本『ムナーリの機械』(ブルーノ・ムナーリ 著 中山エツコ 訳)です。
・初版は1942年のイタリアとあります。
・どんな精神でユーモアを表現をしたのでしょうか。
・楽しい絵本で、しばし浸ります。
・注記では、「細かく切り刻んだ枯れ葉をいっぱいに詰めた、小さな紙の筒」について、よんでから質問をします。
・答えは「タバコ」と。
・どこにも答えは書かかれていませんでしたが。
・色彩は、ドングリをスケッチします。
・インクの茶と緑と黄色で塗ってもらいました。
・色名を『日本の伝統色』で調べると、あらら「茶色」でした。
・運筆は省略しました。

❖今日の課題

3年生

・課題へ進みます。
・さっそく葡萄の「巨峰」をかきました。
・水彩の準備して、葡萄のアングルを決めて描き始めます。
・円を線でえがいて、筋を入れ、全部つながっています。
・見えない枝の流れを想像して描いています。良いですね!
・枝が線なので二本にします。これはいいのか?
・絵具で明るい黄緑から描いて、枝を描いて、葡萄の紫色をつくります。
・全部が水っぽいので、いったんティッシュで吸い取ります。
ティッシュに吸わせると、ティッシュ版画みたいでした。
・スケッチブックは薄い紫に。
・白と黄土をいれ混ぜ、皿の色をつくります。
・皿を塗ります。
・つぎに葡萄を濃い色で入れます。
・光が当たっている箇所をのこしてぬりました。
・紺色で境界の濃い部分を塗ります。
・気づきとしては、「ぶどうの、実と実のあいだに、距離がある」らしきことを発見したようです。
・空間が生まれてきている感じでした。
・日付をいれて、葡萄の「巨峰」の完成です。

・つぎに「プテラノドン」の頭部です。
・「B 頭を組み立て、首に取りつける。」。
・複雑なアルミの形を組合せ、ボルトをはめてナットで回します。
・長いペンチで横長に折りまげます。
・三つの部品を合わるところまでしました。
プテラノドンの鋭く長いくちばしが見えてきました。

・帰途「小公女」を最後まで聞きました。

6年生

・次は課題です。
・さっそく葡萄にとりかかります。
・重さを測ります。
・だいたい500グラムか。425グラムでした。冴えてきたね。
・スケッチブックを二分して、一方に描いていきます。
・鉛筆での丁寧なタッチ。
・全体からというより、一粒ずつ増えていきます。
・やや左寄りになってしまった。
・粒を増やしていいかときかれます。
・うーむ。
・色を塗ります。
・青、黒、緑、白。
・混色して、彩色です。
・スケッチブックには鉛筆の粒子が邪魔しないので、きれいな色が乗ります。
・瑞々しい色。
・背景は同系色でまとめました。
・乾いていないので、背景と混ざり滲んでしまいましたが、拭き取り時間を置きました。
・さいごにハイライトをいれて葡萄の完成です。

・オカリナをしました。
・不明な二つ穴も、音階が判明しました。
・イントネーションに近い音を創作し、ドレミで表します。
クロッキー帳に、ボールペンで五線譜をかいて、ト音記号を書きました。
・音符を写していきます。
・まるでブドウの粒のよう。
・切れ目が分からないので名前を入れよう、果物がでてきました!
・楽譜ができてきて、オカリナを吹いみます。
・アプリに録音しました。
・だんだんと楽しみですね!

❖today note

They painted Kyoho of grape.
Perhaps he discovered place.
And she thought about existence and name of grapes.
They were just learning.

❖reference

ケーテ・コルヴィッツ(1867-1945、ドイツ)

(略)
 コルヴィッツは1867年プロシアのコーニクスベルクに生まれ、1881年地元の版画家ルドルフ・マウワーに師事。17歳の時、ベルリンの女子美術学校に入学する。初期の習作で、肉体労働に従事する労働者たちを描いており、彼女の社会意識の成長をうかがい知ることができる。1885年社会民主党員であった医学生カール・コルヴィッツと婚約。以後50年間以上、夫の活動を通じて、一層広い範囲にわたる人間の苦悩や悲劇に触れることになった。
 1889-90年、ドイツにおける芸術の中心地ミュンヘンではじめてエッチングを学ぶ。この時マックス・クリンガーの想像力溢れたエッチング、特に不信、殺人、死といった人間存在の悲劇的な要素を描いた一連の作品に魅せられ、その著作や芸術理論の影響を受けることになった。クリンガーは、幾つかのテーマ、殊に悪、弱さ、人間の暗い側面に関わるテーマは、グラフィック・アートによって最もよく表現されうると書いている。コルヴィッツは、彼のテーマを引き受け、同時に油彩を止める。
 1893年から1898年にかけて、版画による初めての重要な連作≪職工の反逆≫を制作する。1844年に起こったシレジア地方の労働者の蜂起に対する冷酷な鎮圧を扱ったゲルハルト・ハウプトマンの戯曲『職工たち』に想を得たものである。コツヴィッツの連作は、ハウプトマンの物語に基づく3点のエッチングと3点のリトグラフを含んでいるが、ハウプトマンと違って彼女は圧政のより普遍的な表現を創造するために、ドイツ史の具体的な叙述の一切を省いた。版画の一点一点のタイトルは貧困、死、陰謀などとなっており、芸術の普遍性を追求する彼女の姿勢を強調している。
 1935-36年、自らの墓石のためにブロンズのレリーフ≪腕のなかの休息≫を制作。オリジナルは現在彼女が眠る墓標の上に置かれている。小さな、悩み疲れた顔が、二つの大きな手の間に埋まるこのレリーフは、ロマネスク寺院のファサードに据えられた救済の場面を想起させる。コルヴィッツは他にも彫刻を作っているが、中でも特に知られている2体、深い悲しみに沈む母と父を表現した2体の大きな彫刻は、第一次世界大戦中に死んだ息子を記念して制作したものである。
 今日に至るまで、コルヴィッツが世界的な版画家の一人であることに変わりない。彼女の一貫したスタイルは、その芸術の力強い社会的政治的メッセージを一層強固なものにしている。(E.D./J.W.)

『ワシントン女性芸術美術館展』カタログ(1990年)より