子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

子ども/大人美術教室 ☆here☆(nowhere、尼崎市)

生徒募集!毎週火曜日、土曜日11:30〜14:30〜


授業_形式 フィギア制作、人物画、物語絵

◆内容 クワガタムシ、人物画、はじめての北欧神話(2、5年生)

◆道具 筆記用具(鉛筆、消しゴム)、クロッキー帳(マルマン)、スケッチブック(マルマン)、両面テープ(あるもの)、セロテープ(あるもの)、マーカー(COPIC sketch、ほか)、色鉛筆(STAEDTLER)、METAL KIT SERIESクワガタムシ学習研究社)、カンヴァス(F6号)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト)、スーパーヘビー ジェッソリキテックス)、丸筆平筆(アクリル用)、ペインティングナイフ(あるもの)、ペーパーパレット(あるもの)

◆科学 赤について 向かい合って人物を描く 色紙形式

◇参考図書

・『くもんの 名画カード 海外編1』木村重信 監修 くもん出版 2002年12月初版第5刷発行
・『日本の伝統色 色の小辞典』日本色彩研究所 編 福田邦夫 著 読売新聞社 1996年5月第12刷
・『ヨーロッパの伝統色 色の小辞典』日本色彩研究所 編 福田邦夫 著 読売新聞社 1997年8月第5刷
・『学研の図鑑 動物』今泉吉典 小原秀雄 監修 学習研究社 昭和58年8月第61刷発行
・『名作バレーシリーズ ねむれる森の美女』ペロー 原作 オタ・ヤネチェク 絵 高橋いろゆき 文 佑学社 1978年

◇分かったこと 気づき

・先週からつづいて、紅葉した葉っぱの「赤」について。
・「色の本の赤に似てないけど 赤だよ」。
・これくらいの年齢の子どもにとって、「赤」は「似ている似ていないということとは別の何か」か。
・例えば温かみとか明るさとか、原初的なイメージか、教えられたものか。(参照1)
・「クワガタムシ」では器用にドライバを回してくれました。
・鉛筆スケッチでは、指でぼかしをすると、線画から陰影デッサンに変化した感があります。

◇備考

・こちらの教室では、一般教養から美術を見る⇔美術から一般教養に種をまく、をしています。
・実技は練習を重ねる、見る、描く、で力が育っていくと考えています。

❖基本学習

2年生

・公園で落ち葉やどんぐりを拾いました。
・「1週間たって、葉っぱの色は変化したかな」
・手の指で丸を作って、お空をのぞきます。「その色を覚えておいてくださいね」。
・どんぐりは公園で初めて会ったお友達から分けてもらいました。
・鷲づかみして「くださいね」と遅れて自己紹介しましたね。

・今日やることをホワイトボードに書きます。

① カード 『ねむれる森の美女』 名画カード海外編1
② いろ  葉っぱの色 どんぐりの色 空の色の名前
③ かたち クワガタムシ
④ かだい うま

・まずはカード学習の1。
・ディズニーの『眠れる森の美女 スペシャル・エディション』のビデオを用意しました。
・集中しているのがわかります。
・王さまとお后様に赤ちゃんが生まれて、3人の魔女(仙女)が呼ばれてお祝いにかけつけ、良いお願いをしました。
・1人呼ばれなかった魔女から、16歳の時に糸車の針に刺さって死ぬでしょうと、呪いをかけられてしまいます。
・今日やることを進めたら、続きは来週見ましょう。
チャイコフスキーの三作目『眠れる森の美女』をBGMにかけます。

・カード二つ目は、『名画カード 海外編1』を1から20までしました。
・トランプ方式にして「ババ抜き」をしました。
・ババは、ヴァトー「シテール島の巡礼」がいいと。
・聞くと男が棒をもって女の人を切るかもしれないと、悪い奴ということかしらね。
・裏の解説を読んでもらいました。
・全部読んで、愛の言葉が書かれていることが分かりました。
・お気に入りのアルチンボルト「野菜の鉢 菜園の庭師」も解説を読んでくれました。
・「...静物画が人物画になるふしぎな絵です。」
・ババはそれでも「シテール島の巡礼」に決定です。
・配って、近い数字があったら揃えて出すというルールでした。

・色彩はさっき拾った葉っぱの色名を探します。 
・先週の「チョコレート」のいろは『ヨーロッパの伝統色』にありました。
・「今日の葉っぱも葡萄色(えびいろ)と栗色ににてるね」
・「ちがうよ 赤だよ」「でも紅・紅色には似てないんじゃない?」「にてないけど 赤だよ」。
・これくらいの年齢の子どもにとって「赤」は、「似ているということと別」の何かか。
・温かみとか明るさとか。原初的な感じがしました。(参照1)年齢ではどうでしょうか。
・「さっき空の色をみたでしょう。似ている色をさがしましょう。「水色」でもいいけど「空色」がある」
・どんぐりの色は「ちゃいろ」。
・ユーチューブの「どんぐりころころ」をだして歌います。
・折紙のお池にどんぐりをコロコロと入れて、はいったね。
・どんぐりとケースをつかってお話を作ります。
・葉っぱをテープではって、日付。
・どんぐりの線を書いて、色を塗ります。

・型どりしたプラスチックの数字で九九あそびをしました。

5年生

・車で移動して、画室へ向かいます。
・公園の葉っぱを拾います。
・センダンの木が多い。
・指先で円をつくって空の色をみます。
・ホワイトボードに今日やることをかきます。

① カード『眠れる森の美女』絵本『名作バレーシリーズ ねむれる森の美女』は参考までに。名画カード海外編1
② 色彩 葉っぱ 空 実の色
③ 運筆 秋の折紙 人物スケッチ
④ 課題 北欧神話

チャイコフスキーの『白鳥の湖』『くるみ割り人形』と聴いてきたので、『眠れる森の美女』も聞いてみましょう。
・「DVDは用意しましたが、話は知っていますか?」「マレフィセントでしょう。他にも見ている」
チャイコフスキーの他の曲には有名な旋律がありますが、『眠れる森の美女』はどうでしょうか。
・BGMとしてかけます。

・『名画カード 海外編1』1から20をかるた式でとっていきます。
・色彩は『日本の伝統色』で調べてくれました。
・葉っぱは「臙脂色」、木の実は「かち色」「鉄紺」「紺」、空は「水浅葱」。
・『ヨーロッパの伝統色』からも「空の色」を探してくれます。
・「空はベビーブルー 葉っぱはオックスブラッド・レッドに近い色。」
・色名の解説を読むと、「牝牛の血、牝牛の心臓という名前の暗い赤の形容である。農耕民族も赤い色を厄除けの呪(まじな)いや、豊作祈願の色として祭礼などに用いられたが、狩猟牧畜を業とする民族も、家畜の血を門に塗って、何かの呪いにしたといわれている。...」と書かれています。
・見た目は似ていますが、由来は違いましたね。

❖今日の課題

2年生

・「クワガタムシ」を作ります。
・四角いケースに部品をすべて出します。
・解説書を見て、今日の目標を決めます。
・先週の6本の脚を「大中小」にわけます。
・脚を6本「あしおさえ」に引っ掛け、2枚の押さえではさみ、中心をボルトとナットで締めます。
・ボルトのサイズ「大中小」を確かめてはめ込み、ナットをドライバで固定します。
・さらに「あしつけ」と「胴体A」を付けるまでをしました。
・器用にドライバを回してくれました。
・はやく角(大あご)をつけたいね。

・「オージンの馬」にとりかかります。
・「オージンの馬は灰色。カンヴァスの土台を少し白くして馬が手前に出るようにしよう」
・馬の土台作りは「スーパーヘビー ジェッソ」とチタニウムホワイトとまぜた絵の具でぺたぺた塗っていきました。
・「馬はみたことありますか」「ない」
・ないので、画像をだすとイラストの鎧をつけた馬がでてきて「かっこいい!」と。
・画面はガタガタしていますが、来週固まったら、馬を描きましょう。

5年生

・先週は自画像を描きました。
・「今日はお友達を描こうか?」
・乗り気だったので「友達のスケッチ」をしました。
・時間は10分で切ります。スタート。
・目の一重、二重、奥二重。
・ほうれい線をかくかかかないか。
・ほうれい線と呼ぶのか?「線は書いたほうがリアルに見えますね」
・「ぼかすという方法もありますよ」と、線をひいて指でこすります。
・「ヒゲになった」。タッチが違い、線画からいきなり陰影デッサンになった。
・頬は全部消して、タッチをかえます。
・目も二重から、まんがタッチを導入してました。

・その間、お祝いの色紙に貼る秋の折紙をしていました。
・「柿のへたがどうも小さい」「みかんでいいんじゃない?」「そうだね」

・スケッチはもう10分延長して完成して、見せ合い(発表)をする予定。

・お友達のスケッチが終わった生徒さんは、折紙に参加します。
・栗とどんぐりの折り方の違いは何か。
・簡単ですが、紙が小さいので器用さが求められます。
・どんぐりに点々をいれます。
・できた折り紙を両面テープで色紙に貼っていきます。
・色紙には「上下」があると、内容が絵なのか、文字なのか、サインなのか、寄せ書きなのかによって、変わります。
・寄せ書きふうに斜めに書いた時から不思議だったらしい。

・もうひとりの生徒さんの絵も仕上がります。
・見せ合いして、動画をとりました。
・友だちの右手は左手になっています。鏡じゃないからね。
・絵の中の絵が、棒人間になってます。省略かな?
・日付をいれたら、フレームで絵の中と外の日付を分けしました。なんだかすごい。

❖today note

His red is more lighting and blithely.
It is near to primitive shining.

While we listened to The Sleeping Beauty.


❖reference

参照1


 日本語でも、「あか」という言葉は最古の色名のひとつだが、赤の感覚を表す言葉は地球上ほとんどの民族がもっているといわれている。現在でも赤い色から連想されるものは、たいてい火か血であり、多くの言語で赤を意味する言葉は、そのどちらかの言葉から派生したと考えられている。
 色を表す言葉が2種類しかない二色分類の言語がいまでもあるが、それはおそらく明と暗に対応すると考えられている。明に相当する言葉で呼ばれているものは、白に代表される明るい色だけでなく、赤、赤紫、橙、黄などの暖色系すべてを含むと仮定されている。日本語の赤の語源も「明し(あかし)」ではなかったかと推測する説がある。中国から文字を輸入した古代の日本人は、「あか」という言葉に赤という漢字を当てた。この字は大と火が合成された会意文字で、おおいに燃える火の色を表しているという。
 人類の文化は、火を使うことを覚え、死者を葬ることを知ったときから始まったというが、赤という色は人類が文化をもつようになった当初から意味のある色だったわけである。赤い色は、あらゆる民族にとって重要な象徴的な意味をもっているが、その象徴の由来は、私たちの記憶の及ばないはるかな昔にさかのぼらなければならないらしい。
 赤という色の感覚は、可視光の長波長側の刺激によって生じるもので、人間の色覚の基本色のひとつとされている。視覚器官の異常や欠陥がない限り、純粋な赤い色の感覚は全人類に共通に保証されていて、その感覚が、あらゆる言語の色彩語の共通基盤になっていると考えている研究者もいる。
 そうだとすると、日本の色としての赤というような特殊な赤は存在しないことになる。しかし現実に、いかにも日本らしさを感じさせる特徴をもつ赤があるとされているのだから、それは色彩科学の概念では説明できないような歴史的、風土的なものによって特性づけられた色があるということであろう。

『日本の伝統色 色の小辞典』P.10-11より