子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 マトリョーシカ
◆内容 マトリョーシカを作ろう!(3,4年生)
◆道具 筆記用具、画用紙(スケッチブックから)、紙コップ・プラスチックコップ(あるもの)、マトリョーシカの白木のキット(大日本美術工芸)、絵の具セット(各自)、面相筆(あるもの)、色鉛筆(サクラ)、コンパス(各自)
◆科学 入れ子、平面と見えない後ろの部分に線を引く

◇参考URL
・『グリコのおもちゃ箱』加藤裕三 著 アムズ・アーツ・プレス 発行 2002年1月初版第1刷発行
・『The book of matryoshka マトリョーシカ大図鑑』写真・文 沼田元氣 二見書房 2010年10月初版第1刷
・『マトリョーシカ絵付け入門』日本ユーラシア協会マトリョーシカ教室 著 日本ユーラシア協会本部 発行 1997年10月

◇写真 マトリョーシカ練習など

◇備考
マトリョーシカの「大和撫子」の着物のあわせは逆でした。

◇分かったこと 気づき
マトリョーシカは顔は平面ですが立体なので、髪やスカーフや服装が回り込むことを理解しました。

❖基本学習
・カードはおさらいの続きです。
・『名画カード 海外編2』を見ていきました。
ゴッホの糸杉のある道。
ムンクの叫びは有名だけれど、最後には輝く太陽を描きました。
・ボナールは色彩の魔術師とあるけれど、画面は今から見ると暗いですね。
クリムトの文様と人物の組み合わせ、ルソーは独学、マチスの赤い部屋、ルオーの太い線。
ピカソ、ブラックの水差しとヴァイオリン、「いまは動画があるけれど一枚の絵がほんとにじっとしていないね」
モンドリアンの地図みたいな絵、「カンディンスキーの絵は音楽の楽譜みたいで、ある日逆さの絵を見てこれは良いと自分で思ったらしいよ」
・クレー、モディリアーニローランサンユトリロ「お母さんが息子の絵が売れると分かってどんどん描けかけ、となりました」
シャガール、キリコ、ダリ、「ミロは国際美術館へ見に行ったね」
マグリット、ベンシャーン「失業して公園でカバン抱えている人を描けるかな?これは描ける流れの中にいるんでしょうね」
・リベーラ「壁画運動を起こした人で、メキシコの字が読めない人たちのために壁画に国の起こりとかを描いて誰にでもわかるようにしました」
ポロックは「ドリッピングはひょうたんでやりましたね。絵の具を垂らしていく方法で偶然のようで、考えられているそうです」
・「ロスコになるともう色彩の響きの世界だね」
・蝶々をはりつけたデュビュッフェ、タピエス。
・「ラウシェンバーグは展覧会で見たときにはほんとに絵が大きくて、たいへんな広がり方でした」
・「リクテンスタインは絵が買われるときにいろいろ議論になって、マンガみたいな絵が芸術か?漫画こそ現代の芸術だ」ということかな。
・「ウォーホールマリリン・モンローをかいて、現実ではありえない色とスーパーマーケットの陳列棚みたいな、ポップアートというだれでもが知っているものをアートに引っ張りあげました」
・そんな絵画カードを繰り返しみてきましたね!
・色彩はヨーロッパの伝統色のキャメルとキャラメルの読み違いの続き。折角間違えたんだから楽しみましょう!
・『グリコのおもちゃ箱』を見ました。
・キャラメルに小さな箱のおまけがついて、楽しみでした。
・小さなおもちゃを一所懸命デザインした人の写真集です。
・プラスチックのようなビニールのような玩具にシリーズがあったんですね。 
・何が入ってるんだろう?という小さな無限の楽しみがありました。同じのだとがっかりしたり、以前は大したおまけ付録はなかったので。
・その小さなおまけと、比較的新しいハート型のキャラメルをみます。
・そのうち、おまけとお菓子のバランスが変化したりしました。

・待ち時間に置いてあるマトリョーシカの人形とパンダ人形で工夫しています。
入れ子を離して組合せを変えたり、半身に半身を積み上げて積み木のように使います。
・『名画カード 海外編1』のおさらいの続きを見ていきます。
・18-31をみました。
・ビンガムの「ミズーリ川を下る毛皮商人の舟に乗る動物は猫ではありません。いつか確かめてくださいね」
・ミレーの農家のお金もちと貧しい人の描き方の違い。「向こうには光が当たっていますが、クローズアップは貧しい人たちですね」
クールベのオルナンの埋葬。
ドガの踊り子の描き方はモノタイプで、ガラス版や金属板や石版の上に絵を描き、それに紙を伏せてすり取ったもの。そこにパステルが加わっています。
・だんだん絵のつくり方が変わってきます。
セザンヌのサント=ヴィクトワール山。
・つぎに色彩のキャメルとキャラメルの違いついでに、おもちゃのデザイン『グリコのおもちゃ箱』を見ていきます。
・「むし」の動くシリーズや、プラモデルタイプ、クジラの汐吹を吹くとボールが上がるもの。
・楽器の「ハートモニカ」きのこの「マッシュくん」の狂言
・「家に大きなキノコが生えたので山伏しに祈ってもらうと、かえってキノコの数が増えて家の中を動き回るという話が、狂言にあります。
しかしキノコはうまい!」と作った時のデザイナーの声でしょうか。
・ネコとネズミは古くからある組合せ。
・そしておままごとシリーズ。小さくてかわいい。
・また木のおもちゃになるとぐっと高級感、質感、欲しい感がでてきます。
・ハートのキャラメルがありましたね。

❖今日の課題
・課題にはいります。
・『マトリョーシカ大図鑑』を見ます。箱根の入れ子からきてるんですね!参照(1)
マトリョーシカはそれぞれ形が似通っているので一見同じように見えますが、おばあちゃんがだっこするような大きなものから、小さな物、入れ子の個数に違いがあって、形デザインも様々です。
・本の分類は産地系、アーティスト系、最後はスーベニイル系というのがあって、スーベニイル系は変わり種だそうです。
・どこにでも遊び心があるんですね。
・図柄は農家の娘さんが描かれているので、プラトークというスカーフをして(髪の毛には特別な力があるからと)、ときどき見る渦巻きには木の節を誤魔化す苦肉の策という説があり、胴の模様には持ち物があります。
・顔は丸く描かれコンパスを使い、眉間のあたりにコンパスの穴が残っているそうです。
・時代によってまつ毛などの細かい装飾に変化が見られるようです。
・江戸時代の奢侈禁止令の例をだし、贅沢禁止で茶色やネズミ色の種類が増えて、着物の裏地が発達しました。
・本はざっと見ていって、スーベニイル系の変わり種の「猫」と「ペンギン」のマトリョーシカが目に付きました。
・『マトリョーシカ 絵付け入門』の本にも伝統模様や絵付けの手順、髪型や目の描き方などがのっていますが、動物にしました。参照(2)
・早速スケッチブックに写しとって真似てみます。
・紙コップやプラスチックコップで丸い表面に描く練習をします。
・実際に描いてみて、顔はコンパスで描くとして、髪の毛やマフラーが立体の中でどのように巻かれているか不明になります。
・猫が被っている帽子をうしろまでずーっと回していきます。行き先が決まっていないと大きく感じます。
・マフラーも首を巻くのは分かっても、始まりと終わりがわからないので実際に巻いてスケッチしてもらいます。
・手も描きますが、袖から背中はどうなっている?平面でないことを実感しました。
・本体に本番です。
・大きいのを描いて失敗したらおしまいなので、二番目から描くことにしました。
・コンパスで顔を描きます。鉛筆で耳、顔の表情、マフラー、手と袖、服の模様をいれていきます。
・下描きがすんだら着色です。
・薄い色から付けていってほしいのですが目立つ色から始めました。
・絵の具は水彩絵の具、水で溶かして濃いめにしました。平筆、丸筆で描いていきます。
・丁寧にやっているので指先に集中。落ち着いて出来ましたね!
・マフラー、袖、帽子をかいて今日はおしまいです。

・課題に入ります。
・自宅の人形を聞きました。沢山いるようです。
・『大図鑑』を見ていきます。扉のおばあさんがだっこするマトリョーシカの大きさにビックリ。
・長い二本の白木を三時間かけて運んで来たという、平原のおばあさんの写真に打たれます。
・本に現れたマトリョーシカの数々。その種類や色やデザインの違い。
・「セミョーノフスカヤ工場入り口。ここの女工員さんたちは入り口や壁等、至るところにマトリョーシカの看板や壁掛けを飾って楽しんでいる」工場の玄関の看板に関心が行きます。
・そして数の違いが気になります。
・数えてみると一番多いので、35個の入れ子状になっていました!
・関連グッズとして、スプーンやチェスもあります。
・大きなマトリョーシカに小さな人形がたくさん詰まったもの。
・大きな青い地球のようなエッグスタンドに、沢山の有色?多民族?の人形たち。
・「物語マトリョーシカ」と呼ばれるものが気に入りました。人形たちがうっとりして少女マンガ風です。
・人形に絵付けしている人のポーズを見ます。持ち方ね。
・たくさんのマトリョーシカを見てきました。
・描くのは着物マトリョーシカにしました。題して「大和撫子少女」です。なぜ?!
・今日描くのは、5人中の三番目に当たる真ん中の人形にしました。
・着物の絵の練習します。
・まずクロッキー帳に絵を描きます。周りの大きさをかきます。
・中を描いていきます。
・着物のあわせの意味が分かりません。襟の袷かた。
・こうあわせて右手でつまむようになっていると説明します。
・コンパスの練習、瞳、台座をかいて、プラスチックコップで練習。
・顔をかいて髪を正面側面に収めよとして間違います。全体がぐるりと髪になるのよと言うと理解します。
・頭のリボンを描き、帯をかきます。溝があるのできれいな円が閉じます。
・本番、本体に鉛筆で下描きをします。
・コンパスを使って顔になる部分の円を描きます。
・くぼんでたわんでいるからずれて、仕方がありません。なんとか書けます。
・おかっぱの髪型、目、口、失敗したら消しゴムで消してやり直し。
・髪のリボン、着物、画用紙を帯にしたものを巻いて定規にして、帯の線を入れます。
・下描き完成。
・色付けを明るい色からします。黄色い着物を平筆で描きます。
・顔のいろ、白赤黄色を混ぜて塗ります。
・赤でリボンと口。失敗。面相筆を紹介します。「ほんとに細いスーッとした筆があるんだよ」
・帯を描きます。人形の持ち位置を変えて集中しています。
・途中で終えましたが良いのが出来そうですね!

❖today note
Their fingertips were serious, it was nice!
A lined kimono is mistake!
What is meaning?

❖reference
参照(1)

本によると、ロシアの伝統民芸品としか思われないような素朴なマトリョーシカの歴史は浅く、100年くらいしかたっていないとのことです。
誕生の一説は、明治40年(1890)年に箱根の塔ノ沢にロシア正教の避暑館があって、ロシアの貴族マーモントフが箱根の民芸品の入れ子こけし(組子だるま、組子式七福神)を気に入ったところから始まったとあります。
マーモントフの夫は鉄道王サッヴァ・マーモントフで、妻であるエリザベーテは民芸品に造詣が深く芸術家を支援するパトロン気質だったようです。
マーモントフはモスクワから50キロ程離れたアブラムツェヴォに鉄道を敷き、民芸作家たちが集まる芸術家のコミューンを作りました。
サッヴァ・マーモントフの兄弟ナトリア・マーモントフが、コミューンの指導的存在であった画家マリューチン、木彫家(轆轤師)ズビョードチキンを、後に設立する玩具教育美術学校になるモスクワのアトリエ(マトリョーシカ博物館の隣)に呼び、日本から持ち込まれた七福神をもとにマトリョーシカ第1号が作られたということです。
1900年のパリ万博に出品されると大評判になり、ロシアの民芸運動の大きな刺激となったそうです。
別の説もあって、イースターエッグの流れを組むという説もあります。しかしエッグの入れ子式というのは以前は殆どなかったそうです。
マトリョーシカイースター・エッグが共通するなら、マトリョーシカの農民の女の子が抱いているのがニワトリだということだそうです。

『The book of matryoshka マトリョーシカ大図鑑』より

・関連
ロシアの旅
https://sites.google.com/site/kuroneko789/roshiano-lue-russia


参照(2)

猫のマトリョーシカに但し書きがありました。
「子どもへの愛情が込められている猫マト。足下で毛糸にじゃれている子猫は編み上がった手袋に抱かれて」と書かれています。
つまり流れとしては、小さいマトリョーシカから大きいマトリョーシカに時間は流れていました。
家族ものだけでなく、一体における時間の流れも入っているなんて、オシャレですね!

『The book of matryoshka マトリョーシカ大図鑑』より