子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 来年の干支を描こう!
◆内容 干支のデザインと画面の面積(3,4年生)
◆道具 筆記用具、スケッチブック(マルマン)、色画用紙18色(あるもの)、マスキング・テープ(カモ井加工紙)、
布テープ(フェリシモ、100円ショップ)、柄入りガムテープ(フェリシモ)、様々なピンキング・バサミ(あるもの)
◆科学 色の組み合わせ、色面積。

◇参考URL
・『学研の図鑑 動物』 昭和58年8月第61刷発行
・『木のうた』イエラ・マリ 作 ほるぷ出版 1999年2月発行
・『桃源郷ものがたり』文 松居直 絵 蔡皋(さいこう)
・『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家久米旺生 訳 さ・え・ら書房 1999年2月第9刷発行
・ネット画像 
午の年賀状のデザインページ

◇写真 年賀状のデザイン

◇備考 学生さんに取材をうけました。

◇分かったこと 気づき
・「かわいさ」の違い、好みの違い。

❖基本学習
・秋は行事が盛りだくさんですね!一緒に授業ができました。
・今日やることを伝えます。荘子の最後「混沌」、桃源郷の絵本の読み聞かせ、年賀状のデザインをします。
・「無何有の郷」のことを確認して、「桃源郷」の絵本があったので紹介します。
・「桃源郷」の絵本が偶然にもあったので紹介します。
・漁師が舟に乗ってたまたま見つけた芳香豊かな桃の林に導かれて、その先の田舎の風景に招き入れられるというお話です。
・そこには客人をもてなす文化がひらいていました。
・食卓を素晴らしく描いていて、黄色い卵、赤い実の乗った白い饅頭、肉魚料理、青物、なにやら壺の蓋をひも解いて奥から出てくる様子など。
・勿論、山景、田舎の田畑、庭、家屋、服そうなども丁寧に描かれていました。
・中国の古典と墨の名画と映画が一緒になったような感じでした。
・子どもには退屈かもしれませんが「いつか思い出してくれたらいいよ」と読んで行きました。
・初めは退屈でも絵本がそうであるように、だんだんと引きこまれていきます。絵本の時間形式。
・トトロに会える穴と前に例えましたが、ほんとうにそういう穴が絵本にも出てきました。
・食膳やお箸や赤い実、そういうのを見るのは楽しいですね。
・分かるような分からんような話ですが、文を書いた松居さんも「ブリョウトウゲン」の南宋画の掛け軸が家の床の間にかかっていて、ずっとながめてそだったそうです。中学で漢文好きになって陶淵明を知り、そのころ日本は中国と戦争をしていましたが、中国の古典を読んでいたそうです。古典は人類共通の文化財としての価値があると書いてあります。いつか思い出してくださいね。
・いままでのは復習です。デザインに切り替えてもらいました。
・『木のうた』をみました。
・同じ木の絵が続いて、その周りの四季を巡る絵本でしたね。
・年賀状の馬と背景を考えるのに参考になるので紹介します。
・絵本は冬から始まり、何か地面の下にいますね、「リス」か「もぐら」。木には鳥の巣。地面には三種類の種から芽が出てきました。
・木も芽吹いて、リスが出てきて、鳥は営巣して、卵が孵って子育てがはじまります。
・文はないのですが、小鳥の赤ちゃんはぴいぴいと鳴いていますね。
・動植物への感受性が育っているようで嬉しいです。
・秋になってリスはドングリを集めて冬眠です。
・冷蔵庫って電化製品だけど、食べ物が入れてある保存庫なんですよ。だから保存方法はいろいろとありますね。

❖今日の課題
・年賀状のデザインを考えます。
・色画用紙(茶色四色、赤四色、緑四色、青四色、あとは橙色と黄色の18色)を渡します。
・再来週には馬場にいきましょうね!
・馬と背景の色の組み合わせで見え方が変わりますね。
・色は面積も大切です。
・ネットで馬の年賀状を参考にみます。
・好みが違いますね、キャラクター風、水彩画風。
・図鑑の馬の絵を1.5倍にコピーして、トレーシングペーパーで写します。
・一方、ネットを見てデザインを起こします。
・キャラクターをもう作成しています、はやいですね!
・スケッチブック渡して色合わせしていきます。
・動物の黒い切り抜きを白や様々な色画用紙の上にのせ色の組み合わせを見ていきます。
・青い紙に青いキャラクター風の馬を描きました。
・背景のハートは18色も色画用紙がもあるのだからと生かしましょう。
・飾りに穴あけパンチで開けたプラスチックの星やクマを使いました。
・クマの輪郭を描いて、「あのクマモンとってもかわいいね!」「黒と白で赤いほっぺがかわいいじゃないか。歯ブラシもでてるよ。」
・トレぺに写した馬を茶色い画用紙に描いてハサミで綺麗に切り抜きました。
・スケッチブックにハガキ大のフレームを描いて、デザインします。
・馬をおいて、ハートを散らして、ピンクに塗ります。
・ハートをくつってそれが集まって四葉のクローバーになりました。
・年賀状を貰ったことがありますか?あるある。
・クマモンの話をしたので、自分が可愛いと思うクマを描きます。
・輪郭だけは型パンチを使って、目鼻口とリボンぽっけをかいている。
・ほっぺがピンクでグッとくるとてもかわいいクマさんを描きました。
・それから一匹だったクマが増えて二匹に、四匹になりました。
・小さなクマさんに命を吹き込んでいます。
・スケッチブックに四葉のクローバーを貼ってその上に青い馬をはりました。
・周辺に細かいキラキラ光る破片を散らしています。流行を受け取っています。
・作業しながら画面をつくる話をします。
・テープの質感の紹介。マスキング・テープのツルツル感、布テープのザラザラ感、柄入りガムテープの厚みなど。
・マスキング・テープの使い方。
「テレビで見たけど病院の小児科の壁が淋しいので、そこにマスキングテープでお花を描いたり動物だったらその洋服を飾ったりするんだって。病気になって入院して、そこに明るい壁があったら、少しでも気持ちが明るくなったらいいよね。そういう風に簡単にデザインできるテープです」
・また作業しながら、『荘子』の最後「混沌」を読みました。最後に混沌が死ぬところはビックリしました。参考(1)
・様々に切れるハサミで、草原とかクッキーとかつくりました。
・さいごはお片つけして電子辞書で計算や記憶の遊びをしました。

❖today note
So many men, so many minds.
There is no accounting for tastes.
Which to choose?

❖reference
参考(1)

「混沌の死」

南海の帝を儵(しゅく)といい、北海の帝を忽(こつ)といい、中央の帝を混沌という。
儵と忽はたびたび混沌の領地で会合し、そのたびに手あついもてなしをうけた。混沌の厚意に感じたふたりは、なにかお礼をしようと相談した。
「どうだろう。人間にはみな口耳目鼻あわせて七つのあながあり、それで見たり、聞いたり、食ったり、息をしたりするのだが、混沌にはそれがない。ひとつ、顔にあなをあけてさしあげでは。」
話しがきまると、ふたりは一日に一つずつあなをあけていった。そして七日め、混沌は死んだ。

「混沌」とは、いっさいがまじりあって、区別のない状態を表すことばである。ここでは、第一章で説明した万物のおおもとである“道”をさしているとも、人間の自然な本性をさしているとも考えられる。これに対して「?」も「忽」も、ほんのわずかなあいだという意味で、人知を表している。人間のあさはかな知恵が、自然をそこない、すなおな人間性をゆがめ、結局は人間自身を破滅に追いこもうとしている。公害問題や受験競争など、「混沌」の話に似た例は、わたしたちの身近にいくらでもころがっているではないか。

『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家』より