子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 神話・古典を描いてみよう!
◆内容 アクリル絵の具、墨で神話を描こう!(3,4年生)
◆道具 筆記用具、スケッチブック(マルマン)、クロッキー帳(マルマン)、色鉛筆(STAEDTLER)、カンヴァス(4号)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト、マースブラック、アクラレッド、アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント、カドミウムレッドミディアムヒュー、イエローミディアムアゾ、プライマリーイエロー、カドミウムイエローディープヒュー、コバルトブルー、コバルトブルーヒュー、ライトグリーン/パーマネント、フタロシアニンググリーン))、リキテックス スーパーヘビージェッソ、丸筆、平筆(アクリル専用ブラシ、硬軟)、ペインティングナイフ、紙製パレット
◆科学 筆運び、重ね塗り、イメージと構図

◇参考URL
・『天からきた大力童子』高橋健 ぶん 福田庄助 え 偕成社 1990年4月第1刷
・『くもん式百人一首カード 上巻 0歳から』監修 公文公 平田喜信 くもん出版 1994年11月第6刷発行  
・『ヤマトタケル那須正幹 文 清水耕蔵 絵 ポプラ社 2005年7月第1刷
・『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家久米旺生 訳 さ・え・ら書房 1999年2月第9刷発行
・『荘子物語』諸橋轍次 著 講談社 1988年10月第1刷発行
・画像のページ
「茅葺屋根」「校倉造り」「白鳥」「武陵桃源の図」
百人一首 ウィキ
http://en.wikipedia.org/wiki/Ogura_Hyakunin_Isshu

◇写真 ソフトクリーム、下絵など

◇分かったこと 気づき
・お友達同士での影響など。

❖基本学習
・三連休で時間がとれて、一緒の授業となりました。
・待ち時間のあいだ、絵本『天からきた大力童子』を読みました。スサノオヤマトタケルなどの大力をもった人物像の続きです。
・「雷神奇胎伝説」と呼ばれるもので、『日本霊異記』にある優れた力を持つ僧の話として広められていったものだそうです。

・そろったので授業をします。
・展覧会をひかえて、しっかりと描いていきましょう!今日やることを伝えました。
・カードはインターネットは「茅葺屋根」「校倉造り」「白鳥」「武陵桃源の図」を出します。
・久しぶりに一緒で、百人一首をすることにしました。
・『くもん式百人一首カード 上巻 0歳から』を出して、テーブルに広く並べます。
・最初は取り札をばらばらとならべて始めたのですが読みづらいので、向きを揃えて並べました。
・読み札には絵がついていています。画家20人が絵を描いています。
ヤマトタケルの走った飛んだ大地に連なるイメージが比較的掴みやすいのではないかと思います。
・言葉の並び、拍子、調子とか流れに参考になるものがあります。
・絵を見てほしいのですが歌を聞いて、札をとる気まんまんになっております。
・偶然お友達の前にカードが揃っていました。どんどん採っていきます。
・歌とカードに懸命になってくれました。
・途中で読む歌にないカードがあることが判明しました。下の巻が混じっていました。
・読み終えて1まーい2まーいと運動会みたいに数えていきました。

・運筆はトルネードの練習をしました。縦の渦巻きです。
・今までは、点々、三角、四角、波波をやってきました。今日は縦の渦巻きをしますね。
・まずはペンでコーンの部分のアミ模様をかいてそれから、サインペンでいろいろなアイスとコーンを描きました。
・アイスクリームを渦巻きで描こうというと違和感が。渦巻きはソフトクリームでしたね!
紫芋アイス、好きなアイス、衝撃を受けたアイスの話など、チョコミント、チョコチップのかかったもの、オレンジ、ブルーハワイ風な青など続きます。
ハロウィーンのカボチャに黒のマーカーで顔を描きます。いくつか出てきます。
・百均でみたら、目とガタガタ虫歯の歯と、鼻があったよ。
・他に何が描きたいか聞くと、「フランケン」と。ネットがあるので探します。便利ですね!
フランケンシュタインが出てきます。
・イラスト風、口、首からナット、ネジ。リアルなものをクリックします。よくできてますね。
・映画の中の「フランケンシュタイン」が浮かびます。
・「ハロウィンは外国の子どもたちがお化けの格好をしてそれぞれの家の玄関先に行って、おやつをもらう祭りだよね。日本のお祭りで鬼が出てきて「泣く子はいないかー」は?」「ナマハゲ」「よく知ってるね」「先生の小さい時にも近所でお菓子やお餅を振舞うお祭りがありましたよ。お祝いみたいな感じのお祭りね。」
・上手に線を入れて描いてくれます。

・さあアクリル絵の具です。
・ペーパーパレットに白黒と虹色をそれぞれ出してもらいます。
・トルネードの形をしたソフトクリームを描いてもらいます。
・うんと高いのや哺乳瓶みたいなのができてきました。
・昔々の話で、ソフトクリーム屋さんでアルバイトをしている友達がいて、そのクリームの巻き方の話が面白かったです。
・最初は下から巻いてグルグル巻いて一体どこで止めたらいいのかと、サービスして高くするとベターっと横になったりしたそうです。
高いのは嬉しいけど食べるときに倒れないように回しながら食べたりね。
・ソフトクリームの技術の話でした。
・それから紙の上に絵の具を筆でクルクル回して描きました。
・哺乳瓶になるのは、それは筆が細いからでしょうね。

❖今日の課題
・だんだん乗ってきたところで絵本「ヤマトタケル」を見ます。
・「ヤマトタケル」の話の始まりと終わりを描くことにしました。
・参考にする絵本の絵が見える位置にそれぞれ席替えしてキャんバスに描きはじめます。

・ペインティングナイフで青い空の下地を塗り重ねます。
クロッキー帳に白い鳥を描いています。絵本では嘴の色と形が白鳥でした。
・可愛らしい感じですね、大きくクロッキー帳の幅目いっぱいに描いています。
・それをハサミで切ってカンヴァスに輪郭をとろうという自分で考えた方法です。
・蛍光色の黄色の色鉛筆で描いてもらいました。
・画面に収めるときには角度を考えるといいですよ。ヤマトタケルが死んで故郷の墓から墓へ渡るのだけれど、子どもたちが「お父さん!」と霊になった白鳥に呼びかけて、それを聞いて白鳥が下を見下ろして子に別れを告げているかもしれないではないか、色々と想像してもらえるように、角度のことなどをアドバイスしました。
・空と白鳥の下描きが出来ました。 

ジェッソをつかって紫の空に山を描いてもらおうと思います。
・絵本を見ながら「さあ、始まりの朝ですよ。」というと、友達は「これ夜じゃないの?」といいます。
・朝の太陽からの始まりでなく、おぼろげな月夜からの始まりという設定なのか?
・確かにこのような高い位置に太陽があるとしたら太陽の表現が大人しすぎる。
・友達がいると助かりますね。
・始まりの場面は月の出ている夜からという事になりました。
・遠くにある大きい山の色はかすんでいます。
・真ん中に中くらいの山が見えます。手前にもっと小さい山が三つあります。
・最初の一筆を描くとあとは自分で描いていきます。
・力強い、しかしなだらかな山並みができています。
・月明りの空が広がって、なだらかな丸い山並みがでてきて、広い大地の平野があって、その視界の真ん中より下にの方に校倉造りは難しいので、
茅葺屋根の家並みにしようと家並みの地平線があって、茶色を作って横一本線を引きました。
・あとは家々に線を入れて行けばなんとかなるでしょう。
・そして以前に描いた山彦がいろこの宮へ向かう絵の続きをかいてもらうことにしました。
・もう一度画集を見てみます。青木繁の「わだつみのいろこの宮」の下絵が何枚かでてきます。
・「絵描きさんでもたくさん下絵描いているでしょう。だから自分でいろいろ描いてみるとといいんだよ」。
・確かに地上、海底、桂の木、待ち人、などの下描きがあります。それはリアルな空間で構想されている感じです。
・人物に重ね塗りをして厚みを出して、横顔の練習をクロッキー帳でします。
・漫画からきている描き方が上手で、アクリル絵の具でやってみますが思った通りにはいきません。
・一旦薄いオレンジを作って上塗りして乾かします。
・竹で編んだ舟を充実させるために色を重ねました。
・袖と舟の線があいまいで舟が切れているようなので、これは舟か袖かと以前に描いた線を思い出してもらいます。
・いろこの宮の建物のイメージに校倉造りの屋根が参考になりました。
・屋根の柱が重なって突起となり、そこの下の壁の色を着けることが出来ました。

・途中で次回の墨絵の画題、荘子「無何有の郷」を読みます。
・恵子と荘子の「大びょうたんの使い道」のつづきになります。参考(1)
・また中に出てくる「無何有の郷」ににている場所が別の本に書いてあります。参考(2)
・この「武陵桃源の夢」はよく絵にも描かれるそうです。
・分かりやすく言うと「となりのトトロ」に出てくる「メイがクスノキの穴に入り込んでトトロに出会う、そういう穴かも知れないね」。
・難しいですが、桃の木などをイメージして描いてもらうつもりでいます。
・あるいは名画カードでいうと、池大雅の「灌園便図(十便帖より)」と富岡鉄斎の「西王母像」の世界に近いのかもしれませんね。

❖today note
We played the card game called Ogura Hyakunin Isshu.
It is the classic poem and picture cards(uta-garuta).
They were opened our hearts.

❖reference

参考(1)
荘子「無何有の郷」(概ねの抜粋です)

またしても木の話です。
恵子が荘子にいいました。
「わたしのところに、ばかでかい木がある。あんでも樗(ちょ)という木だそうな。幹はふしくれだって、墨なわもあてられないし、枝は曲がりくねって、曲尺(さしがね)ではかるわけにもいかない。道ばたにあるのに、大工たちは見向きもしないよ。」
荘子がいいました。
「じゃあいたちはどうだ。じっと身をひそめてえものにねらいをつけ、さっとおそいかかる。どんなところでもすばしこくとびまわるが、それがわざわいして、しまいにはわなや網にかかって殺される。それにくらべると、斄牛(りぎゅう)は、まるで空をおおう黒雲のようなでっかい図体をしている。大きいだけがとりえで、ねずみ一ぴきとらえることもできないが、無能だからこそ殺されないですむ。きみにそんな大木があるなら、役に立たんなどとなげくことはないじゃないか。そいつを無何有の広野に植えて、ゆうゆうとそのかたわらを散歩し、安らかに木かげでいこいをとればいい。世間の役にたたないからこそ、切り倒される心配もないし、危害をくわえられることもないのだ。役に立たないからといって、気に病む必要がどこにあろうか。」
(『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家』P.248-249)

参考(2)
「無何有の郷」ににている場所「武陵桃源」が別の本に書いてあります。

老荘思想の盛んであった晋の大元年間の話でありますが、武陵の漁夫が、とるとき谷川に沿うてさかのぼって行きますと、うつくしい桃の林がありました。芳華鮮美(ほうかせんび)、落英繽紛(らくえいひんぶん)。そこで漁夫が怪しみながら、その林の中に進んでいくと、その先は豁然と天地が開けて来て、そこには良田美池があり、鶏犬の声も聞こえてきた。ことに不思議なことは、そこにいる男女がみな世間の人とは異なった衣装をつけて、しかも怡然(いぜん)として自ら楽しんでいることであります。そして漁夫の来たのを喜んで、酒肴を設け鶏を殺して御馳走してくれる。その中にほかの村人もやって来ますが、それがまた、それぞれに漁夫を饗応してくれる。そこで漁夫がその人々に、あなた方はいったいどういうお方なんでありましょうねとたずねますが、村人の答によりますと、その地の人々は、すべて秦の時代の乱を避けてこの地にのがれたものだ。爾来外人との交通もないから、世の中のことは一切知らぬというのであります。事実、つぎの漢の時代のことも知りません。いわんや魏・晋の時代のことなどは、一切しらぬのであります。狐にばかされたような気持ちで、しかも愉快なきもちで漁夫は、数日逗留の後、その郷を辞しました。故郷に帰ってから、そのことを土地の大名に話しますと、大名も驚いて、その地を再調させましたが、どうしたことか、その入り口が見出されず、ついに桃源の 真境はわからなかったというのであります。」
(『荘子物語』P.182-183)