子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 神話・古典を描いてみよう!
◆内容 『荘子』「庖丁」を描いてみよう、神話を描いてみよう(3,4年生)
◆道具 筆記用具、半紙(100円ショップ)、習字セット(墨、墨汁、下敷き、文鎮、硯、水入れ、タオル、筆)、半紙(四種類)、庖丁(播州鍛冶師手打庖丁、140m/m)、プラスチックまな板(あるもの)、切り餅(きむら食品特別栽培米「うさぎもち」)、榊、花瓶(借り物)、カンヴァス(張りカンヴァス)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト、マースブラック、アクラレッド、アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント、カドミウムレッドミディアムヒュー、イエローミディアムアゾ、プライマリーイエロー、カドミウムイエローディープヒュー、コバルトブルー、コバルトブルーヒュー、ライトグリーン/パーマネント、フタロシアニンググリーン))、丸筆、平筆(100円ショップ、アクリル専用ブラシ)、ペインティング・ナイフ
◆科学 絵画の鑑賞と感想、道具を見て描く、絵を見て描く、力の入れ方

◇参考図書 
・『ボストン美術館 日本美術の至宝』編集 東京国立博物館 他 NHKプロモーション 発行 2012年3月  
・『日本の文様/京からかみ』千田長次郎 解説 岩崎美術社 1986年11月第8刷
・『コンパクト版4 原色樹木図鑑Ⅰ』林弥栄 監修 北隆館 平成7年5月重版発行
・『三渓カラー名鑑 日本の樹木』林弥栄 編集 山と渓谷社 1996年10月
・『NHK放送台本 おはなしの森 せかいの神話1』文 花岡大学 絵 小西恒光 同朋舎出版 1988年4月初版発行
・『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家久米旺生 訳 さ・え・ら書房 1999年2月第9刷発行
・『クロッキー集 鳥獣虫魚』熊谷守一 著 神名書房 平成12年3月第1刷
・『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』熊谷守一 著 求龍堂 1998年9月

◇写真 熊谷守一の「伸餅」を真似た墨絵

◇備考
・道具はあると使ってみたいと思うので、始めに使い方の説明をするとよいでしょう。
・140m/mは、測ってみたら刃渡りが140㎜ということでした。
・墨絵の「ノシ餅」は言われてみると分かるそうです。

◇分かったこと 気づき
・一回学んだことは覚えていてくれて、すぐに理解してくれました。
・好奇心が旺盛なので上手に伸ばすように心がけたいと思います。
・文様と絵について学びました。

❖基本学習
・カードとして『ボストン美術館 日本美術の至宝』展の図録を見ていきました。
・墨絵の落款はどこに押すのか、ということを中心に見ていきました。
・「ボストンにある美術館に沢山の日本の古い絵が行ってます。
外国の人が何故日本の古い絵を持っているのか。橋があって人と人のつながりがありました。」
・「明治の初めに岡倉天心という人がいました。アーネスト・フランシスコ・フェノロサという人がいました。ウィリアム・スタージス・ビゲローという人がいました。そして交流があって沢山の絵が海を渡っていきました。」
岡倉天心を簡単に紹介しました。
・図録の写真をみていきました。
・古い絵は8世紀制作の仏画から、奈良、平安、鎌倉の仏像、中世、近世までの水墨画の数々の展示のコレクションが収録されています。
・お釈迦さんや観音さんの手が沢山あったり、頭になにか頂いてたりした古い像を見ていきました。
・仏像を見て、髪型やからだの中心線、巻物のスカーフの流れをみていきました。
・絵巻を見ていきました。
・絵巻は昨年に紙染めで作ったので、説明しやすかったです。
・絵巻の遣唐使吉備真備の活躍する絵巻「吉備大臣入唐絵巻」を見ていきます。
・外国に学びに行って、塔に幽閉され難題をだされ幽鬼の助けを借り無事に難題を解き、日本に『文選』や『囲碁』を持ち帰るというお話です。
・全体に赤と緑と黒と余白だらけな印象で、ふんわりとユーモラスな感じでしたね。
・展覧会場の人の声、感想もちりばめました。絵を見てああだこうだと言い合っていましたよ。
・飛んでる吉備大臣をみて「すわったまま とんでいるねえ」などと感想が聞こえてきて、あるいは髪型をみて「まーめずらしいね」感心をしている人。
いちいちその通りで笑ってしまいました。
・自由に感想を持っていて、楽しく見るコツでもありますね。
・もう一つは「平治物語絵巻」です。
・前のに比べるときっちりと描かれていて、赤と黒の画面は迫力がありました。
・カードで速水御舟の「炎舞」を見ているので、火の描き方を見ました。
・「松に麝香猫図屏風」のネコがいかにも、毛の描き方に違和感を覚えましたね。
・次に水墨画を見ていきました。
・拙宗等楊(雪舟等楊)の「三聖・蓮図」が気に入って、今描いている荘子老子の世界を代表する人と、お坊さんと詩人の陶淵明が集って、両脇に蓮の花がある、そんな図をおっとりとした墨で描いてる、大きな絵でいいなあと思いましたよ。
・だんだんに進んでいくと絵が新しくなって、「燕子花図屏風」の尾形光琳が描いた「松島図屏風」がありました。
・松島は東日本大震災のあった東北の仙台にあって日本三景の一つ、その昔の松島を描いた絵です。
・見てほしいのは『日本の文様/京からかみ』の「荒磯」という波模様の文様だけれども、尾形光琳の方は絵になっているよね。
・どこからが絵なのか。
・岩があって、緑が鮮やかで、ところどころに紫が入って、波の金色とよく呼応して、逆巻く波が一波二波三波とあって、そのなかに別向きの流れと同心円渦巻きがあって、それが組み合わさって波を描いています。
・そこに山々を別の紙で作って切り取って置いてみる、そうしないと文様からは絵が出てこない。波の切れた所に岩山を置いてみる。岩を入れ込んでいってるように見えるね、あるいは岩山を地に波を置いてみる。文様と絵の両方を見ていきました。
・遠景の金箔は凪を表し、そして岩に近い波同士と波と岩とがぶつかり合う。そういう絵図を描いているのでしょう。
伊藤若冲の「鸚鵡図」と水墨画の「十六羅漢図」を見ました。
・落款の位置と二つのぼかしの使い方を見ました。
・曽我蕭白の大きな絵「雲龍図」と密な「鷹図」を比べて見ました。
・カードの続きで『コンパクト版4 原色樹木図鑑Ⅰ』のクスノキ科ゲッケイジュとつばき科サカキを見ました。
・『三渓カラー名鑑 日本の樹木』榊と比べると月桂樹のほうが葉っぱが波打っていましたね。
・色彩は『かさねの色目』から、緑色の榊を描いた場合に合う背景色と、神話の「いまはアマテラスオオミカミは隠れていて外は暗い中にある」という二つのことを念頭において色を考えました。
・結局、憲房色のような漆黒のようなやや温かみのある黒を選んでいました。

・テーブルにあった墨を硯ですっています。濃くなりましたね。
・墨汁も流して墨の大きな泡が出来ています。つぶれると飛ぶんだけどね。
・平らにした印泥を混ぜています。人気がありますね、あのネトネトペタペタとした感触。
・盛り上げて多分インクを万遍なく繊維に染み渡らせてまた平らにするようです。インクの均等化。
・おや蓋をするには真ん中が高いですね!
・もう沢山絵を描いたような手をしています。手を洗いに行きました。
・カードは図録を見ていきました。
・あまり興味ないかもしれません。
・古い神仏像に関心のある小学生の方が少数でしょうね。
・興味の湧きそうなことを言って見てもらいます。
・「馬頭観音菩薩像」のどこに馬がいるかね、頭上、そうだね。
・「普賢延命菩薩像」のどこに象がいるかね、真ん中、画面の半分だね。
・絵巻にいって昨年の絵巻は覚えてくれています。
尾形光琳の「松島図屏風」と若冲の「十六羅漢図」を見てそれぞれ落款の位置を確認しました。

❖今日の課題
・運筆は課題として墨をしました。
・『クロッキー集 鳥獣虫魚』の「ノシ餅」と『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』の「伸餅」を手本にしました。
・「今日は荘子で読んだ庖丁の話の「庖丁」を描いてみたいとおもいます。」「お手伝いはしますか?」と尋ねました。
・台所セット、庖丁、プラスチックのまな板、パック餅、ついでに小型のプライパンを取り出してテーブルに置きました。
・教室のテーブルに台所セットを置くと、彫刻刀やカッターナイフの仲間のようです。でも今日は描く方ですね。
・本をもう一度読んで、描く庖丁を良く見ると刃こぼれしていました。達人になるには並大抵ではない。
熊谷守一の「ノシ餅」と「伸餅」をみてそれをまねしました。
・熊谷の庖丁はシンプルな赤でした。植物、動物の本質を射ているようでした。
・色は白、赤、畳だがまな板だかのオーカー、この三色で現しきって、あらためて感心させられました。
・四種類の半紙で真似をしました。
・四枚目には庖丁を白く餅には色が入りました。
・最後に空いているところに判子を押しました。
・アクリルは榊を描く下塗りをしました。
・榊の木が映えるように、神話も想像できるようにしました。
・四種類の絵の具を混ぜていました。暖かい黒です。何色かは秘密だそうです。
・次回の為の「オオクニヌシノミコト」を朗読しました。

・運筆では荘子の庖丁の話を描きます。
・プラスチックまな板、庖丁、餅、ついでにフライパンの台所セットをだしました。
・興味津々、早速パック餅を開けて切ろうとしています。
・この絵の餅はつきたてで柔らかくて、このパック餅は硬いから駄目だよ、と言いました。
・切ってみたいようで、切り始めて庖丁の先を使っています。
・ここでようやく使い方のポイントを伝えました。
・力の入る点、柄に近い方で、真直ぐ垂直に切りおろすんだというと、そうしてくれました。
・庖丁を押さえる左手が猫の手のようで確認すると、しっかり手のひらと指を使っていました。まだ手が小さいのです。
・そうやって餅はサイコロ状になりました。
・うーんこれは天ぷら油で揚げてアラレにすると美味しいでしょう!
・次、半紙を四種類用意して墨を出して絵を描きはじめました。
・半紙は縦にするか横にするかを決めました。
・一回目は庖丁は斜めに描いて、二回目は正面向きで、しっかりと描きました。墨で色もつけました。
・落款を押しました。墨絵の完成ですね!
・次はアクリルです。
・前に描いた「アマテラスオオミカミ」の太陽をちょっと修正しました。
・「天岩戸」のシーンです。アマテラスオオミカミスサノオノミコトが悪さをしたので怒って岩戸にかくれてしまいます。
・外の世界は真っ暗。困ったみんなが外に出てきてもらう作戦を考えて榊に鏡や勾玉を吊るしてと、榊は外は暗い時の話の設定だね。
・黒に青やほかの色を混ぜて明るくない夜の色を作って塗ってました。
・ペインティングナイフでガリガリ塗っているので、筆を使ってなめらかにしようとしました。
・絵の具を伸ばして平らな暗い夜の世界が出来ましたね。
・続きの「因幡の白兎」を聞いてもらいました。学校ですでに読んだらしいです。

❖today note
The children is always curious.
They want to try every time!
We are extending us time, us hand, and us imagination!