子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 神話・古典を描いてみよう
◆内容 古事記荘子から(3,4年生)
◆道具 筆記用具、スケッチブック(masuman)、クロッキー帳、墨汁(100円ショップ)、半紙(100円ショップ)、古い新聞紙、虫眼鏡(あるもの)、カンヴァス(段ボールと古い布おしめ)、アクリル絵の具(リキテックスチタニウムホワイト、マースブラック、アクラレッド、アリザリンクリムソンヒュー/パーマネント、カドミウムレッドミディアムヒュー、イエローミディアムアゾ、プライマリーイエロー、カドミウムイエローディープヒュー、コバルトブルー、コバルトブルーヒュー、ライトグリーン/パーマネント、フタロシアニンググリーン))、丸筆、平筆(100円ショップ、アクリル専用ブラシ)、ペインティングナイフ
◆科学 絵をよく見る、左右対称に描く

◇参考図書
・『青木繁/藤島武二 現代日本美術全集 愛蔵普及版7 集英社』1977年3月初版第5刷発行
・『NHK放送台本 おはなしの森 せかいの神話2』文 花岡大学 絵 小西恒光 同朋舎 1988年4月初版発行
・『くもんまんが古典文学館 古事記』まんが 森有子 監修 平田善信 くもん出版 1994年5月初版第6刷発行
・『中国の古典文学1 古代の思想 儒家道家久米旺生 訳 さ・え・ら書房 1999年2月第9刷発行
・『石田流投入花百選』石田秀翠 石田流華道会出版部 昭和55年4月初版発行
・『Burne Hogarth DYNAMIC FIGURE DRAWING』ISBN 0-8230-1575-0 Fifth Printing, 1974
・burne hogarth
http://www.youtube.com/watch?v=1m5UZRL4hmw

◇備考
・「左右対称に描く」とは即興で、ものの見方が柔軟でよく真似をしてくれました。

◇分かったこと 気づき
・そろそろ人物にも挑戦したいですね!

❖基本学習
・カードは画集から。
・前回の青木繁の「わだつみのいろこの宮」について『青木繁/藤島武二 現代日本美術全集』(集英社)を読んだので補う。(参照1、2)
・「この絵の中の赤い服を着てほほを染めている女の人が豊玉姫です。
本には侍女が山彦を見かけて知らせにいくとありますが、絵とお話はちょっと違っていますね。絵は出会いの場面を印象的に描いています」
・水瓶、壺、花瓶のつながりでくもんのカードを集めてみました。
アルチンボルト「野菜の鉢 菜園の庭師」、ルソー「眠れるジプシー女」、マティス「赤い大室内」、梅原龍三郎「薔薇図」。
・友達の分もみました。
・運筆のイメージとして、『古代の思想 儒家道家』より「大鵬、南にとぶ」を読みました。
・それから新聞紙に墨で「鯤」という魚を描いてもらいました。
・頭から尾までの大きさは何千里あるだろうかと書いてあります。
・時速200キロの新幹線で大阪から名古屋まで移動するとして、一時間かかるのでその間の距離を200キロだとすると、一里は四キロなので何千里となると日本列島より大きいと思ってください!
・大きな大きな魚の頭部とえらと体を描いていきました。新聞紙は繋がりました。
・その魚が鵬という鳥になり大空へ舞い上がって大鵬となります。新聞紙一杯の大きさのとりになりました!

・大判の画集と一般普及版『青木繁/藤島武二』の画集を見ました。
・何処かのシーンでか虫眼鏡が必要になりました。研究熱心です。
・カードは同じようにの「海、舟、人(山彦)」の図柄を選んで、ビンガム「ミズーリ川を下る毛皮商人」、モネ「印象-日の出」、葛飾北斎「神奈川沖浪裏(富嶽三十六景より)」、歌川広重「大はし あたけの夕立(名所江戸百景より)」を見ました。
・友達の分もみました。
・色彩は『ヨーロッパの伝統色』からオレンジとブラウンをしました。
・オレンジはアプリコット、サンセット、ファイア・レッド、キャロット、オレンジ、アンバー、キャラメル、タン。 
・ブラウンはムーンライト、カフェオーレシャンパーニュ、グレージュ、フォーン、シャモワ、バートシェンナ、ロウ・シェンナ、ロウ・アンバー、カフィ―、チョコレート。 
・「大鵬、南にとぶ」を読みました。
・墨で絵にしました。
・新聞紙に魚を描くと反対側から描いてくれました。
・一匹の魚に二つの頭みたいになって、えら、ウロコ、ひれ、みんな反対に描いていきました。デザイン的でなかなか面白いですけど。
・いつか見に行きましょう!
・鳥は本の真似をしました。

❖今日の課題
・色彩は課題に関連するので時間を前後させました。
・色彩は「わだつみのいろこの宮」の水瓶の色を『ヨーロッパの色彩』のイエローから探しました。
・アイヴォリー、ヴァニラ、レグホーン、クリーム、サルファ・イエロー、サフラン・イエロー、バナナ、ゴールド。 
・色は大体指定してあるインクの比率を真似てみました。チューブからひと出しを1として増やしたり減らしたりします。
・どうも濃いです。減色の割合ということで白を加えました。(参照3)
・さらに水瓶の参考に、花入れの花瓶を見てもらいました。
・『石田流投入花百選』には素焼風、萩、ガラス、青磁風、変わったところでは銅製のブランデーグラス風なものが花瓶らしかったです。
・不思議と生け花は現在から見てもそんなに古く感じませんでした。命と間のつくり方を相手にしているからかもしれません。
・そろそろ人体も始めたいので、頭部の描き方の動画(ポイントのみ)を見てもらいました。
・Burne Hogarth は調べたらアメリカン・コミックのターザンの漫画家ということでびっくりしました。当時大人気だったそうです。
・先ほどの色で勉強した「アイヴォリー」「ヴァニラ」「レグホーン」を作ってみました。
・色のパーセントの割合を利用して、白を加えて調整していきました。なんとか桂の木の鮮やかな緑に合う淡い黄色ができました。
・この先が迷宮でした。
・「山幸彦は水を飲まずに(飲んだというのもある)自分の飾りの珠を瓶に落として..」で、そのおとしたネックレスが一体どのように描かれているのか、虫眼鏡を使ったりネットで大きな絵をだしてみたり、下絵を描いてみたりしてイメージしてみました。
・あの水瓶の太い首の口に引っかかっているものは何なのかしらね?
・しかし、絵について充実した話し合いが出来ましたね!
・結局、下絵で模様をすこしずらして勾玉もかいて、アレンジをしました。
・水瓶をぬって時間となりました。

・ネットの動画を見て、画面が光ってやや見づらいです。
・生花の投入れの本を見て、花瓶の説明をしました。
・花瓶は、どっしりしたものもあれば、随分とくねくねとひねったものもあって、
ひょーって背の高い口の狭いもの、まんなかでねじれたものなど、一緒に花瓶の真似をしました。
・先週の「鱗の宮」「いろこの宮」にむかう山幸彦の絵の続きです。
・舟の上で座った人を描きます。お友達の座っている姿を見てきましたか?
・見ていないらしい。
クロッキー帳で練習です。後ろ姿が難しいなら正面の立っている人物を描いて、座るっていうのは膝を曲げて折り畳むことでしょ、と説明しながら描いていきました。
・正面姿の人物を描きました。舟ではなく風呂に入ることになりました。(?)
・目には余白をつくって光をいれました。
・さていよいよ先週の画面に絵を描いていきます。
・色を作りました。ターコイズの海に、舟のメナシ籠の茶色、白とムーンライトの生成りの服、顔の薄いオレンジ、髪には黒。
・舟と人物を描きいれました。山彦は髪を整えて「いろこの宮」を目指しています。
・舟の茶色は升目状に編むように、縦横と塗っていきました。
・どうしても全体が大人が筆をかしている説明調な感じです。
・真珠やサンゴで飾られた竜宮城のような「いろこの宮」が何とかなりそうかしら。
・もう一工夫してみましょう。

❖today note
When do I say to subdivide about them, I feel more small.

❖reference
参照1
「図26 わだつみのいろこの宮 下絵 1907
青木が日本神話に早くから興味をいだいていたことは、≪黄泉比良坂≫図6あたりを見ても直ちに想察できるところであるが、そうした関心の結論ともいうべき大作が≪わだつみのいろこの宮≫(図27)である。その下絵をみると、作者の画家としての狙いどころが鮮明に出ているのが興味深い。ところで、この絵の構想のきっかけについて歌人安江不空の刺激があったことが知られている。それは不空歌集中の『乞食篇』に「亡友青木繁とともに僧形して水戸のあたりを行脚せしことを」という詞書のついた17首があるが、さらにそのあとがきに、「青木繁がつくれる<わだつみのいろこの宮>は実は当時吾が一場の立談より、愕然として、沈思より醒め、 而て成れり、彼を現代より進み過ぎて、容れられざりしものといふ、<原始>は彼の憧憬なり、数百年の古にかえって、神人遊行、地上の生活以外を求めんとせしもの、祖先の偉力をしらずして
過去を裁断せられたるが如き浅人の知る処にあらざる也」とある。印象的な記述である。」
青木繁/藤島武二 現代日本美術全集 愛蔵普及版7 集英社』河北倫明より

参照2
「図27 わだつみのいろこの宮 1907
≪海の幸≫(図14)とならんで、すでに国の重要文化財に指定されている作者二大名作の一つである。テーマは、名高い海幸彦、山幸彦の物語からとったもので、ある日、弟の山幸彦が兄と仕事をかえて海に出たところ、だいじな釣針を失った。これを探し求めて行きついたのが、海底の魚鱗の形の宮室で、すなわち「わだつみのいろこの宮」である。その門の傍らの井戸の上の香授のに登っているとき、水を汲みに来たのが豊玉姫で、やがて婚を結んでしばらくこの宮に住むことになり、釣針を取り返した上、姫の父から干珠満珠の二つの珠をもらって帰るという物語。
絵はそのだいじな姫(左側)との出会いの場が描かれている。出来栄えは≪海の幸≫のような活気には乏しいが、優美で落ち着いている。夏目漱石は小説『それから』の中で次のように書いている。
「いつかの展覧会に青木といふ人が海の底に立ってゐる背の高い女を画いた。大助は多くの出品のうちで、あれ丈が良い気持ちに出来てゐると思った。つまり、自分もあゝ云ふ沈んだ落ち附いた情調に居りたかったからである。」
青木繁/藤島武二 現代日本美術全集 愛蔵普及版7 集英社』河北倫明より

参照3
本書10ページ掲載のベビー・ピンクを例にとれば、4基本色の配合はC(シアン)0%、M(マゼンタ)31%、Y(イエロー)12%、B(ブラック)0%となる。パーセントの表示は、それぞれの色を100%として減色したパーセンテージである。
自然の色を印刷技術で再現する場合、4基本色が自然の中にどういう割合で混じっているかを調べ、その割合をそれぞれ4枚の印刷用の版に製版し、順に刷り重ねて色を再現している。
『ヨーロッパの伝統色』(福田邦夫)より