子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 四コマ漫画を描こう
◆内容 四コマ漫画を描こう(2,3年生)
◆道具 筆記用具、スケッチブック(masuman)、カラーマーカー・マジックペン(各自)、水彩絵の具セット(各自)、春の果物(苺(熊本ひのしずく)、日向夏みかん)、色画用紙(果物の台として、デザイン練習として)、ハサミ(各自)、スティックのり(Asukul Glue stik)、定規(VANCO 282-20、30㎝)、ペンとペン先(各種)、墨汁(100円ショップ)、トーン用ヘラ(あるのも)、ゴムマット(あるもの)、タオル(綿)
◆科学 言葉 伝わり方

◇参考図書・URL
・『ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンムーミンの世界』渡部翠 高橋静男 冨原眞弓 1998年4月第9刷
・『フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』宇都宮美術館 企画・編集 キュレイターズ 発行 2012-2013会期
ムーミンミュージアム
http://muumilaakso.tampere.fi/ja/
トーベ・ヤンソン(ウィキにもページの紹介があります)
http://ja.wikipedia.org/wiki/

◇備考
・漫画の授業も記念館に行ったのも含めて3回目となりました。
・描いていくと未だかつて描いたこともないものばかりで、漫画を描くというのは大変だなとあらためて思いました。
・線画として取り組むくくりに直して、マーカー、マジックでスケッチすることにしました。
・春の果物を描くことにしました。
・素材(画材)は地元の商店街で購入しました。どれにしようか迷って苺と夏みかんにしました。
・お店の方に「絵を描くのよ」というと、「へえ! むつかしかない?」と言われました。確かに。それで「大きく見るんですよ」と伝えると納得してくれたようでした。

◇分かったこと 気づき
・大きく見ると大きく描く、糊の力と自分の指の力など、言葉と伝わり方と実際など。

❖基本学習
・カードは『ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンムーミンの世界』と『フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』のポイントを見ていきました。
・『ムーミン谷への旅』の日本のキミコからの手紙にこたえる「<書くこと>と<描くこと>」を読んであげました。参照(1)
・ちゃんと聞いてくれました。
・それから写真、第二章ムーミンとその仲間たち、第三章ムーミンの誕生をみました。誕生の秘話は二つあるということでした。
・ヒントは姉弟げんかとか、親類のおじさんの話したちょっと怖いお話だとかです。
・そういう身近なものたちの中から、想像力をたくましくして生まれてきたようです。
・そういう友達ができるといいですね。
・ネットでムーミンミュージアムをみました。
ムーミンのモノトーンの画面の雰囲気を見てもらって展覧会の図録に移りました。
・図録『フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』です。
・雪景色の油絵と線画の密度、デザイン、シャツや食器、グラスやイスや、2サイクルプロジェクトの紹介を簡単にしました。参照(2)
・あとは花のデザインを見ました。
・マイヤ・イソラの1964年の「ウニッコ(Unikko)」テキスタイル。
・ユホ・ヴィータサロの「スリーブデザイン」国旗の青い十字が割れて花のようになったパタンデザイン。青は湖だとか。
・色彩は「ヨーロッパの伝統色」のブルーを見ていきました。ベビー・ブルー、ケンブリッジ・ブルー、ゼニス・ブルー、ターコイズなど。
・「日本の伝統色」では新橋色、水色、露草色、紫紺、空色など。
・運筆では基礎にかえってスケッチをしました。
・油性の黒のサインペンで「熊本の苺ひのしずく」と「宮崎の日向夏みかん」を描きました。
・「大きく見ようね、細かく見ると切りがない」というと、「対象を大きく見る+スケッチブックに大きく描く」の両方に発展しました。
・「古い絵は影が黒だけど今は影にも色がある」と伝えるとハイライトを描くので対になる影も描いてくれましたね。
・まず全体のスケッチ、そしてみかんの葉っぱや、苺の種などもしっかり見て描きました。
・みかんので葉っぱの裏側が描けました。立体感が増しますね! 
・苺は大きいものでしたが種の付き方のリズムを見ました。 
・色付けは三原色と黒をつかってしました。
・苺の赤は黄色寄りか青よりかを考えて混色してくださいね。
・混色しているのに透明感があってなんだか甘い香りまでしてきそうな瑞々しい感じの果物が描けました!
・サインをしました。

・先週貸し出したサザエさんをしばらく読みました。
・「昔の本だから、分からないところあるでしょ」と聞いてみる。日常品や流れで笑うところ等、所どころむつかしいと思った。
・ネットのフィンランドムーミンミュージアムのページを出して人形劇風、日本のアニメ、歌を聞く。多分フィンランド語。
・『ムーミン谷への旅』を見せて、写真や日本のキミコへの手紙を読んで聞かす。
・『フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』
のマイヤ・イソラの「ウニッコ(Unikko)」の花の図柄を真似してみました。
・スケッチブックを出して黒のマジックで三本茎を描いて、色画用紙(ピンク、紫、伊吹色)に
マーカーで花を描いていきました。
・サクラが良いみたいで、花にサクラ風な五つの点々を入れていきました。
・花を切って、黒い茎の上にスティックのりで貼っていきました。
・ぺたぺたとはって、のりが指についてベタベタ感が面白く、親指と人差し指でペタンペタンと強度を確かめます。
・「絶対に離れませんVS必死にはがします」の勝負になりました。
・「うーん うーん」ほんとに強いです。糊の力なのか自分の力なのか分からないですね!
・真似してやってみます。再び「糊がはがれませんVSはがしにかかります」
・セメダインと串で繭のようなもの(練飴か水飴に近い)を作ってみたが上手くいきませんでした。
・それで糊を直にスケッチブックに塗って、そこに花を貼っていきました。
・道のりハイキング!
ムーミンの本を見て「雑誌「ガルム」のなかにいるムーミンは最初は小さいんだし、小さいものでいいんだよ。小さなトロールからムーミンになったんだしね!」。
・花びらとハイハイしているピンク赤ちゃんのようなものが出来ています。名前をつけました。
・色彩は通過してしまいました。
・マーカーで果物のスケッチをしました。日向夏みかんと熊本の苺です!
・苺は柔らかいのでこすって描くのは無理です。
・画面中央に大きく三つの円を描いて、一つ一つ部分を指して、「ここは苺のヘタの部分ね 葉っぱがあって カールして とがって かさなって..」
などと説明しながら描いていきます。後を追ってついてきます。
・苺は二つ目、夏みかん、葉っぱを描いていきます。種の向きも良く見て描きます。
・スケッチが終わったら色を塗ります。
・絵の具をだして、赤、緑、黄色、色付けをしていきます。
・おっと水性マーカーでしたが、にじまないですね!? いろいろとあるんですね。

❖今日の課題
・課題。前回のねこ、植物、水、機械、あおむしにペンを入れます。
・水やりの機械があって「これは室内だよね」と確認しました。
・室内であるために前回はドアだけだったところに窓と床ができました。
・窓が開いて外からあおむしがやってくる、そういう設定です。
・一緒にペンをいれました。
・烏口のようなペンとかぶらペンで描いていきました。
・向きが反対なのであおむし担当のような感じです。
吹き出しのセリフで、縦書きか 横書きか迷っています。向きにも迷っています。
・そして大体が描けてきたときにボタリとインクがこぼれました。
ティッシュで拭きましたが何せ白に黒なのでね。それは水玉模様の壁紙になりました。その手があったか。
・コマごとに水玉が移動しないようにしました。できるだけ。
・床には横線が入りました。リアリティはともかく画面は心地よく白と黒で埋められてゆきました。
・「はやく育て!」「葉っぱがいっぱい!」「お花がさいたからからせないようにしよう!」(であおむしが現れて食べられて)「ガーン」
という漫画。
・植物は二枚葉のあと茎が上に伸びて尖った五枚葉になりその上に花が咲いています。ありそうかな。
・ねこがジョウロ機械のスイッチを押します。
・来週はもう一枚を仕上げましょうね。やらないそうです。あらら。。。お話がキャンセルなのかな?

四コマ漫画の完成にいきました。
・漫画は、枠線をかいてその時にやはり墨が移って、白の絵の具をホワイトにして修正しました。
・濃いまま塗ったら大丈夫。薄めるとグレーになるでしょう。
・漫画には仲間が出てくるので、先ほどのピンクの子もいれて貼ってみました。さてどうなるかな。
・名前を聞きました。そのまんまじゃないか!

❖today note
Waving words!
Is it near to view of 'Jesus on the cross' by Joseph H. Di Leo?
I don't know, is it deep?

❖reference

参照(1)

トーベ・ヤンソンからの手紙
「日本からとどいた手紙で、ひとりの女の子が、文章を書くことと絵を描くことではどちらがより重要かときいてきました。その子はキミコという名前です。
 自分の物語にさし絵をつけるのは、わたしにとっていわば当然のことであり、ふたつの仕事はひとつのことでした。―ところが最近になって、<絵>について、<言葉>について、そしてふたつが意味するものについて、考えるようになりました。
 子どもの本に絵が必要なことは、いうまでもありません。
 とくに意味をもたない、からっぽの絵でも、いいのです。美しい風景画は、言葉による美しい表現―たとえば俳句がそうですが―と同じように、わたしたちに語りかけてきます。
 ともあれ、教えたり、なぐさめたり、こわがらせたりとさまざまですが、ひとの心にまっすぐ訴えかけ、一瞬で納得させてしまうような、強烈な絵があります。そうした絵は、まぶたに焼きついて。わすれられないものとなります。良きにつけ、悪しきにつけ、です。
 わたしがこれほどいろんなこと―油絵、新聞連載、政治風刺画―に手を染めたのはなぜか、そのわけをキミコは知りたがりました。ただひとつのことに全力を傾けるほうがいいのではないかと、遠慮がちに、彼女はたずねます。
 ほんとうに、彼女のいうとおりです。自分が選びとった道からはずれるようなことは、すべきではないのでしょう。
 でも、どこに通じているかわからないけれども、ひきよせられてしまうわき道というのは、たくさんあるのです!(じっさい、こういうわき道にそれてしまって、わけがわからなくなるのも、めずらしくありません。)
 生きるということは、思いつくかぎりの可能性や驚きがいっぱいつまった<びっくり箱>の中に、とびこむようなものかもしれません―好奇心があるあいだは、の話ですが。
 はじめのうちは、「あれか、これか」というのは気に入らないものです。「あれも、これも」のほうがいいと思うからです。 
 キミコの最後の質問はこうです。「小さいころ、だれかにおとぎ話をよんでもらいましたか。それはたいせつなことでしたか」
 もちろん、たいせつなことでした!わたしが自分で読めるようになるまでは、ママが本を読んでくれたり、お話をしてくれたりしたのです。
 子ども時代にふれた物語というのは、自分らしい生きかたをつなぬき、きりひらいていくのに、たいへん重要な役割をはたすと、わたしは思います。
 おとぎ話はたいせつなものです。子どもにとっても、大きくなった子どもにとっても、そして語り手そのひとにとっても。
(冨原眞弓 訳)」
ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンムーミンの世界』P.6-7

参照(2)
”2nd Cycle”Project of Artek
フィンランドを代表する企業のアルテック社は、自らのデザイン思想の実現、その社会的な敷衍を目的に、建築家アルヴァ・アアルトが1935年に共同設立したプロジェクト/インテリア・メーカーである。
(略)
創業以来、優に800万脚も生産・消費されているアアルトのスツールに「第二の命」を与える、という独自のリサイクル&リヴァイヴァル活動である。蚤の市、学校、年配者の家庭、倉庫などで眠り、いずれは廃棄を免れないスツールを積極的に集め、年代や来歴など、それぞれの固有な情報を特定したうえで、販売やリースを行う。近代デザイン史の生きた証拠、貴重な文化資源として調査研究に供し、展覧会にも出品する。
(略)
とりわけ注意すべき点は、それまでスツールを慈しんできた持ち主による、オリジナルとは異なる塗装やパーツ交換、
ユニークな修繕を温かいまなざしで受け止め、それもまた、普遍的なデザインが社会に及ぼす「よき効果」の浸透と捉える発想だろう。
「一見、古くて不恰好なスツールは今、生まれてこのかた、もっとも美しく輝いて見える。」
アルテック社の「2nd Cycle」プロジェクト
フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活』P.249

barometer!(choose)
参照(3)
子ども時代の思い出(抜粋)―――ぺル・ウロフ・ヤンソン(姉トーベ、妹ぺル、弟ラッセ

家から海につづく原っぱに、潜水艦をこしらえたことがある。地面にうちこんだ杭を支えにした厚板の上に、大きな樽をのせたもので、はしごで樽に出入りするようになっていた。
もうすこしで完成というところで大嵐がやってきて、最後の仕上げに手をかしてくれた。
あるとき、太陽がかげり、古い気圧計の目盛りが下がりはじめたのだ。父が嵐になるぞと予言し、そのとおりになった。海からおしよせた高波で、原っぱは見るまに水びたしになり、水位は上がりつづけ、ついにわたしたちの潜水艦は、ほんとうに潜水してしまったのだ。
頭をだしているのは司令塔(樽の半分)だけになり、わたしたちはこの中から顔をのぞかせて嵐見物をした。あたりに潜水艦の残骸をただよわせながら。

ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンムーミンの世界』P.130-131