子ども美術教室☆here☆

子ども/大人美術教室☆here☆主宰 since1998

平面絵画

授業_内容 話を聞く会 昔の遊びを聞いてつくってみよう!
◆内容 「いろはかるた」を作ろう、商店街で昔の遊びをインタビューをしよう!(2,3年生)
◆道具 筆記用具(各自_鉛筆、カラーマジック、マーカー、消しゴム)、スケッチブック(maruman)、クロッキー帳(各自)、色画用紙(あるもの)、画仙紙(文房具屋さんの小売り)、水彩絵の具セット(各自_絵の具、平筆、丸筆、パレット、水入れ、タオル)、スプレーのり(住友スリーエム)、スティックのり(あるもの)、ハサミ(各自)、コンパス(あるもの)、カードの台紙になる厚紙(ボール紙)、虫眼鏡(あるもの)、水性マーカー(黒、細、中)、筆ペン(あかしや新毛筆)
◆科学 かるたのノートを作る、など

◇参考図書・URL
・『くもんの名画カード 海外編1』木村重信 監修・選・文 くもん出版 2002年初版第5刷発行
・『世界の美術館 ヴァティカン美術館』高田博厚 吉川逸治 編集・執筆 講談社 1973年8月発行 
・『いろはかるた』戸板康二 著 駸々堂 昭和53年12月3版 
・『かさねの色目』長崎盛輝 著 京都書院 平成9年3月第2刷
・滴翠美術館
http://tekisui-museum.biz-web.jp/

◇備考
・スプレーのりは換気が必要で、暖房が効いているとスプレーの目が詰まりやすい。予め台紙と画仙紙の接着をしておく。
・授業では台紙にスティックのりと習字の半紙を貼った。
・かるたの大きさは約77㎜×57㎜の大きさにした。

◇分かったこと 気づき
・久しぶりの水彩絵の具と画仙紙で、しばらくすると慣れてくる。

❖基本学習
・カードは今年最初の授業なので図書館の豪華な本を用意した。
・『名画カード 海外編1』のミケランジェロの「最後の審判」一枚のみをよく見る。
・図録『世界の美術館 ヴァティカン美術館』の「システィナ礼拝堂の内部」と「最後の審判」の図解をみる。
・ネットでも検索してみる。カードよりも小さい画像がたくさんでてくる。
・簡単に絵の説明をする。「これは13世紀のダンテという人が書いた『神曲』という本をもとに描いた絵です。66才の時に完成しました。本を読んでいませんがいつか読めればと思います。絵の真ん中にはキリストがいて、周りにはたくさんの人物がいて、それぞれ時計回りにだんだん反省すると助かるという風になっています。いつかイタリアの真ん中にあるヴァチカン市国に行くことが出来たら是非とも本物を見てみてください。昔の偉い人も、本物を見たりお話を読んだりして、そうやって描いているんですね。」
・色彩はカルタをつくるのでその台紙の色合わせをした。
・オレンジとペールオレンジで「赤朽葉」というかさねの色目を絵の具でつくった。
・「重ねの色目」の勉強は難しいので、嫌いにならないように無理せずに進めることを心がけている。
・いつもは本の季節括りから入って気に入った配色を真似るという順であるが、今回は今あるものから色名を調べた。
・赤朽葉は表の経紅と緯洗黄で裏は黄とある(後に参考あり)。
・残った色でなにか描きたいものである。

・カードは同じく外国編を一枚見せて、大判の大人向け『ヴァチカン美術館』の「最後の審判」を見せたら他のページにも興味津々で、小さいカードの為に虫眼鏡を出したらそれにはまりました。
・図録の絵よりも自分の手とか、クロッキー帳に小さな文字を書いて文字とか、相手の目とか、大きさの変化に感心しています。
・部分を拡大して見て、だんだんうぇーっとなります。
・指を見て手のひらを見て、手相を見て、手をクロッキー帳に鉛筆で写して、表から写して「あら爪側ね」というと返して写して、手には沢山の皺がありました。

❖今日の課題
・今月やることの説明をした。
・昔の遊びを近所の方に聞いたり、できれば作ったりして遊ぼうという内容。
・やり方は、話を聞いて、まとめて、昔の遊びを作っている間に正月が終わってしまうので、後でも見られるように写真のように残しておくという方法。
・順序はまず質問の内容を一つ考えましょう。クロッキー帳にそのためのノートを作りましょう。
・昨年のお正月は双六をつくりました。今年はカルタをつくってみましょう。
・『いろはかるた』の本を見ていく。
・「赤犬棒かるた」は「い」の始まりだけ赤く塗られているからその名がある。
・ほかにも「いやいやいろはかるた」が上下の並置で印刷されている。
・江戸かるた、上方かるた、尾張かるたなどが有名とある。
・本に掲載の多くのかるたは滴翠美術館に所蔵されている。
・かるたは絵札と字札があり、字札には多くはことわざがかいてある。
・今回の作り方としては、「赤犬棒かるた」と「いやいやかるた」のどちらかを選んで、どちらも気に入らないときには自分の歌か、語呂のよいものを作ることにする。
・字札のことわざを読んでいく。知っているときには小さく手を挙げてもらう。
・本にはことわざの説明文も載っているが、文が大人向けなのでそこは簡略にした。
クロッキー帳にノートを縦書きで作ってもらって最初の行にを写してもらう。
・「色は匂へど散りぬるを わが世たれぞ常ならむ 憂ゐの奥山けふこえて 浅き夢見しゑひもせず」。
・平仮名は48文字、「や行」←誤「わ行」には携帯電話などにはない「ゐゑ」が入り、最後は「京のゆめ 大さかのゆめ」「京にいなかあり」となっている。
・分担して作ることにする。
・「い」「は」「と」「き」などを選んで参考書を探す。
北斎まんがではだめらしく、絵札のほかネットのかるたを参考にする。楽しいものがでてくる。
・「犬もあるけば棒にあたる」はやめて「いぬがねてるよ」などを創作して歌がそろう。
・用紙の準備、見本を作っていった。
・色画用紙に習字の生成りの半紙を糊づけした。
・かるたの大きさはまちまちらしい。
ちなみに「花札」の厚さは日本の成人男子が手に持った時ピタリと掌におさまるように計算されているのだそうで花柳界の女性たちが遊ぶために厚みをいくぶん薄くした「薄口花」というものもあるらしい。現在だとどの大きさになるのか。
・それに習うと、かるたの大きさは子ども用に小さくしたいものだが、「赤犬棒かるた」は53×37㎜とあり、絵を描くには小さい。その割合で大きめにした。
・サイズの型をボール紙で作って、用紙に線をいれた。しかしどうしても枠内の絵になって小さくなってしまう。次回は改めて考える。
・犬の画像を調べていく。寝ている犬を選んだが描きにくい。
・結局、横向きの茶色い犬で「いぬもあるけばぼうにあたる」にした。
・「き」は「きいろいことりはかわいいよ」がすぐに出てきた。おお!
・ネットで調べて小鳥でさがすと様々で、白いたっぷりの羽がある優雅な小鳥を選んで描いた。黄色く塗る。
・「と」「年寄りの冷や水」は「としよりのひやみづ」になっている。
・たのしい図柄の真似をした。着物を着た様子が分からないらしく、誤魔化すのはいや。
・袖はもう少し膨らんで、帯があってと説明をして、冷や水の表現にはイソップの「カラスの水さし」の面影がのこっていた。
・「は」は「はなよりだんご」を選んで、ネットで調べて団子を描く。
・串と団子の位置に気を付ける。
・絵の具に慣れてきた。

・今日やることと今月やる二つのことをお話する。
・インタビューをする、カメラを回すのよと言って、言葉が違うかも知れないと思う。
・質問を考えましょうと宿題をだす。
・かるたの説明をする。
・本の一部を紹介した。「無同字仮名網羅の試作を、源爲憲や本居宣長や谷川士清その他の人々がのこし 明治三十六年に万朝報の公募に応じて一等賞をもらったのは「とりなくこえす ゆめさませ みよあけわたる ひむがしを そらいろはえて おきつべに ほぶねむれゐぬ もやのうち」という四十八字の歌である。」。
・「いろはにほへと」を熱心に写す。虫眼鏡の熱も残って字が小さい。 
・「さ」と「き」などを作ることにする。
・「さんべんまわって たばこにしよ」(鯔背な男が町内を三べん回って一服 という自戒も込めたことわざ)ではちょっと、「さるもきからおちる」もちょっと、ということで「さっさと絵をかけ」と思いついてそれにする。
・絵札は紙に鉛筆で字を書いていることろにした。
・字の書き順をみて描く。それはいかにも字ばかりかいて早く絵を描かなきゃ!という図になった。
・「き」はすぐに思いついたらしく、ヒントをくれて質問がやってきた。
・「キラキラ光るおばあ様?」「ちがう」「キラキラ光るお月さま?」「ちがう」
・正解は「キラキラひかる おほしさま」でした。おお!綺麗な詩ね。
・絵を描いていく。
・星の書き方は一筆書きをやめて、点をかいてつなげていった。
・さあ色塗り!絵の具を出して「さっさと絵をかけ」では、鉛筆を斜めに見たものを初めて描きました!緑色の鉛筆です。
・お星さまは黄色、夜空は紺色、キラキラを周りに入れて完成です!

❖today note
Original playing card is very interesting to us!

❖reference
「当時服飾に用いられた色彩には、裂(きれ)を直に染め上げた「染色」と、先染の経糸緯糸で織り上げた「織色」と、もう一つは、衣の表・裏の裂を重ねてあらわす「重色」(重色目)の三通りの色があり、それらにつけられた色彩名称は染・織・重の三つとも同じものや、いずれか二つが同じもの、一つだけのものがあって色名だけではそのどれを指すのかわからない。」
『かさねの色目』長崎盛輝 著より